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セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
“年俸16億円”がドーピング疑惑で“月給32万円”…「ヤンチャな金髪サッカー小僧」から怪物になったMFポグバ31歳が味わう因果な現実
posted2024/03/17 11:01
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph by
Qian Jun/MB Media/Getty Images
ポグバはユベントス入団直後の2022年夏、北米ツアー中に膝の半月板を痛めたが、即外科手術を勧めたクラブのメディカルスタッフと治療方針をめぐって対立した。冬に控えていたカタールW杯への影響を恐れ駄々をこねたが、結局オペをする必要に迫られ、治療と回復の遅れを招いた挙げ句、W杯招集を逃す羽目になった。
復帰1年目の総プレー出場時間はわずか161分。チームは会計処理疑惑にも翻弄され12年ぶりの7位に低迷した。
ポグバは反ドーピング機構と対立姿勢を露わにしている
名誉挽回、と意気込んだはずの今季はプレシーズンキャンプから調整は遅れ、とどめが開幕直後のドーピング発覚だった。チーム一の高給取りの体たらくに、ファンの心が離れても無理はないだろう。
ドーピング違反による長期出場処分の例として、18年にやはり4年間のプレー禁止を告げられたカリアリFWジョアオ・ペドロ(現グレミオ)のケースがある。この時は選手側の反訴で個人トレーナーの過失が認められ、機構への協力姿勢も見せたことで、ペドロへの実際の処分は6カ月間に大幅短縮された。
ただし、今回は同じ事情とはならないかもしれない。
ポグバ側が反ドーピング機構へ歩み寄るどころか対立姿勢を露わにしており、上訴するにしても落とし所が見えにくい。最終処分が確定するのは手続きのスケジュールを鑑みると最速で今年の夏の終わり、8月下旬と見られている。
“事実上ポグバ抜き”のユーベはすでに世代交代中
ユベントスは事実上、昨季から“ポグバ抜き”で戦ってきた。
現在、セリエA3位で来季CL出場圏を維持するチームは、春を迎えたタイミングで勝ち点を落とすゲームが増えており、指揮官マッシミリアーノ・アッレグリへの風当たりが強まっている。