サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
伊東純也は日本代表選外だが「フランス代表DFとの攻防で高い精度」強豪PSG戦、先制ゴール起点のち“深く一礼”…撮影カメラマンは見た
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2024/03/15 17:00
伊東純也はスタッド・デ・ランスでレギュラーの座を確固たるものにしている
17分、CKの混戦からオウンゴールで試合は同点に。さらにその2分後、右サイドでボールを受けたイ・ガンインが送ったクロスに対してボックス内で処理を誤ると、PSGの9番ゴンサロ・ラモスが見逃さずゴールへ蹴り込んだ。
ホームチームの逆転弾に会場は大きく沸き、それに後押しされるようにPSG優位の展開が続いた。
伊東は攻撃の起点としてボールを呼び込もうとするが、なかなかボールを受けられず苛立ちを見せる場面もあった。それでも前半終了間際45分、ランスCBエマニュエル・アグバドゥが自陣より、最前線のディアキテまで中央ラインを通す鋭いスルーパスを出すと、ディアキテが落ち着いてシュート。前半のうちに同点に追いつくことに成功した。
後半に入ると、勝利を目指してポゼッションを高めるホームチームと、守備意識を高めながら、伊東とモハメド・ダラミーの両翼からカウンターを狙うアウェイチームという構図がよりはっきりと現れてきた。
後半28分にはエムバペ、デンベレが同時投入され、「待ちに待った」というスタジアムを包むサポーターたちからの大きな歓声が上がった。
CLの舞台でも2人の関係性でソシエダを撃破したコンビが、ランスへ襲いかかりシュートチャンスを作ったがゴールを決めることはできなかった。
フランス代表DFに対しても真っ向勝負をしていた
伊東は後半38分に交代となるまで(ピッチを去る際にはお辞儀をしていた)、対面するフランス代表DFでもあるリュカ・エルナンデスと攻防を繰り広げて精度の高い、多彩な種類のキックによるクロスでチャンスを創出した。
また、あえてやや中盤に落ちることで相手マーカーを引っ張り、空いたスペースを他のものに使わせるような動きからは、レギュラーとして出場を続けているランスでのチームワークが確立されていることも感じさせた。
攻守に貢献しつつ、オンザボールでの攻撃のキレはこの日も際立っていたが、オフザボールでの動き出しなど、試合全体への関与についてはやや積極性を欠いているようにも見えた。