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「駅伝日本一の実業団ランナー」から異例の転身…“現役女子大生ファッションモデル”國立華蓮の波乱万丈「とにかく後悔はしたくなくて」
text by
荘司結有Yu Shoji
photograph byMiki Fukano
posted2024/03/12 11:02
当時クイーンズ駅伝2連覇中の「実業団最強チーム」パナソニックに所属していた國立華蓮さん(23歳)。引退後はモデルとして活躍中
中高時代、過度な体重管理に悩んでいた國立さんだが、モデル業に求められる体型も近しいものがあるように思う。ただ、今はもっと前向きに、自身の身体に向き合えているという。
「確かにモデルを目指し始めてすぐの頃は、運動量も減った分、昔のような無茶な食事制限をしてしまったこともありました。でも、今ってすごくスレンダーなモデルもいれば、プラスサイズモデルとか色んな体型の方が増えていますよね。
私ももし、体重が増えたとしてもリアルサイズで参考になればいいなと思っていて。これから身体を絞っていくにしても、正しい方法で適度にやっていけば、誰かのお手本になるかもしれないですし。自分なりの体型が作れればいいかなって思っています」
現役時代に感じた「女子選手へのサポート課題」
また、現在はモデル業と並行して大学にも通い、心理学を学んでいる。昨年は1年間、モデル活動をはじめ、自分と向き合うために休学していたが、春から復学する予定という。心理学を専攻する背景には、現役時代に感じた女子選手へのサポートの課題がある。
「トレーニングやフィジカル面に関しては専門的なトレーナーやコーチがいる一方、メンタル面のサポートが足りていないのではと感じていたんです。実際、色んなチームを見ていると、摂食障害や精神的な理由で引退してしまう女子選手もいました。
男性選手が5年、10年と続けている一方、女性選手は1、2年で競技から離れるケースが多いように感じています。女子選手の感情に寄り添える存在がいれば、もっと長くのびのびと続けられるのではないかと思っていたんです」
國立さん自身、精神的に追い詰められた時、周りに相談できず、ネットのコラムなどを読んで対処法を探っていたという。現在、SNSでは選手としての気持ちの持ちようについても発信している。
駆け出しのモデル業、大学での心理学の勉強、そして地元でのジュニア選手の育成。波乱万丈な競技人生を経て、様々な方向に可能性を広げている。将来的にはどのようなビジョンを描いているのだろうか。
「色々浮かんではくるのですが、一番は選手に対して健康指導や心理的なサポートを続けていきたいです。また、芸能関係ではモデルだけでなくもっと幅広いジャンルにチャレンジできればと考えています。今まで家族とか色んな人に心配もかけてきましたが、自分の可能性を閉じることなく、広げていきたいなと思っています」