Sports Graphic Number SpecialBACK NUMBER

[スペシャルインタビュー]イチロー「自分の限界を超えるために」

posted2024/03/07 09:01

 
[スペシャルインタビュー]イチロー「自分の限界を超えるために」<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

text by

石田雄太

石田雄太Yuta Ishida

PROFILE

photograph by

Naoya Sanuki

昨年は投手として高校女子との試合で最速を更新し、甲子園出場に届いていない2校を訪れて背中を押した。常に「目標」を設定して挑んできた野球人生で、喜びも悔しさも味わった自身の経験を語る。

――イチローさんは「目標」という言葉をどんなふうに捉えていますか。

「自らを高めていくために不可欠なものと捉えています。基本的には遠くに設定するものと、近くに設定するものの2つがあり、日々意識するのは近くにある目標で、それをクリアしていくことで遠くにある目標に近づいていく、そんなイメージです。これってよく耳にする話ですよね。でもやってみると結構難しいんですよ。ひとつ言えるのは、遠くの目標だけを見ているといずれは挫折します。難しいけど頑張ればできる距離感を大事に、僕は形にしてきました。

 どんな人でも突き詰めれば“元気でいたい”が目標になるのではないでしょうか。だって元気がなきゃ何にも向かっていけないし、つまらないですからね」

――その都度、細かく目標を設定するタイプだったと思いますか。

「振り返ると、僕は中学生のときに大きな賭けでしたが周囲の反対に抗い、学業を捨てて野球を選びました。そして(愛知県の)東邦高校と愛工大名電高校のどちらに行こうかと考えたとき、甲子園なら東邦、プロへ行くなら名電だと思って、名電を選んだ。甲子園出場ではなく、プロへ行くことを優先して進学先を決めたその選択は、子どもながらに目標設定ができていたからこそだと思っています」

こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
NumberWeb有料会員になると続きをお読みいただけます。

残り: 8451文字

NumberWeb有料会員(月額330円[税込])は、この記事だけでなく
NumberWeb内のすべての有料記事をお読みいただけます。

関連記事

#イチロー
#東邦高校
#愛工大名電高校
#旭川東高校
#宮古高校
#國學院久我山高校
#千葉明徳高校
#高松商業高校
#智弁和歌山高校
#シアトル・マリナーズ

MLBの前後の記事

ページトップ