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大谷翔平の“気遣い”に同僚が感銘「こんなに幸せそうな写真はない」…早くもドジャースに溶け込んだ“大谷流コミュニケーション”の本質
posted2024/02/21 11:01
text by
阿部太郎Taro Abe
photograph by
JIJI PRESS
ドジャースに新加入した山本由伸の朝は早い。メディアにクラブハウスが開放される8時15分の前には、既に着替えてトレーニングを始めている。トレーニングルームで独自の柔軟や体幹を鍛える動きなど、グラウンドに出る前に入念な準備をする。
対照的なのは大谷翔平だ。メディアがクラブハウスから出される9時になる直前、寝癖をつけながらロッカーに飛び込む姿が何度かあった。キャンプでは基本的にゆっくりと施設に入るのが大谷流。睡眠時間の量を大切にする大谷にとって、ギリギリまで寝るというのは変わらないルーティン。それはドジャースに入っても同じだ。
ロッカーに入ると、速やかに着替えを済ませてトレーニングルームの方へ向かう。そこからはもちろん、濃密な練習を一つ一つ丁寧にこなしていく。
デーブ・ロバーツ監督は「彼には1分1秒たりとも無駄がない。全てが意図的で、目的を持ってやっている」と感心する。
早くもドジャースに溶け込んだ大谷翔平
大谷が「まずは環境に慣れるのが最優先」と言ったように、練習メニューやクラブハウスのルールなどはエンゼルスと異なる。新天地は勝手が違う。
野手陣も揃い、初めてユニホーム姿を披露した全体練習初日のこと。クラブハウスでは、数種類あるズボンのどれを穿くのか、迷った。ロッカーが隣のムーキー・ベッツに聞き、スタッフにも確認。ズボンは事なきを得たが、練習場で帽子の間違いに気づいた。一人だけ、「LA」のマークがついた帽子を着用し、照れながら、「D」のマークの帽子に変えた。
全体練習3日目となった2月16日。今度は、大谷がフリー打撃の練習を行うフィールドを間違った。違うフィールドに足を運ぼうとした時、2021年のオールスターでも交流を深めた新加入のテオスカー・ヘルナンデスらが叫んだ。