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大谷翔平と別れたトラウト“ラジオで語った”本音「ネットでも話出ていたし…」エンゼルスへのトレード要求報道を「完全否定」の意味
posted2024/02/22 11:00
text by
水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph by
Getty Images
トラウタニ。
そう呼ばれたかつての最強コンビが、別々のチームで新たなシーズンを迎えた。西の帝国と呼ばれる強豪ドジャースでメジャーでの第2章をスタートさせた大谷翔平に注目が集まる中、エンゼルスに残されたマイク・トラウトに去来する思いとは――。
大谷が昨年12月9日に移籍を決めたとインスタグラムで発表してから、トラウトは長い間、沈黙を続けていた。エンゼルスの他の選手たちがSNSで大谷の契約を祝福するコメントを投稿する中で、トラウトだけは大谷に一切触れず。インスタグラムは更新しても、家族の写真を投稿するだけだった。
どんな気持ちでいるのだろう。
ラジオで語った「ショウヘイのこと」
ファンやメディア関係者は、その胸中を憶測するしかなかった。間もなく「トラウトは球団にトレードを要求する可能性がある」という話が米メディアの間でまことしやかに流れた。大谷が去ったエンゼルスには希望が持てないと、誰もが考えていた。
沈黙を破ったのはスプリングトレーニングが始まる直前、球団が所有するラジオ局のインタビューで、だった。司会者に「今季について話す前に、聞かなければならないことがあります。もうこのチームにはいませんが、ショウヘイのことです。彼がドジャースに移籍する決断をしたことに対して、どう感じましたか?」と問われて答えた。
「決まる前、みんなが僕に、どうなるのかと聞いてきたよ。何となくだけど、彼がドジャースに行くような気が、昨シーズンの間ずっとしていた。ネットでもそうなるだろうという話ばかり出ていたしね」
大谷の去就は、昨シーズンを通して米球界の話題の中心であり続け、これまでのメジャー最高額だったトラウトの12年総額4億2650万ドルを超えることは確実だろうとも予想されていた。そして実際は、それをはるかに超えるスポーツ史上最高の10年7億ドルでドジャースに移籍。
「彼にとって良かったと思う。彼にはそれだけの価値がある」
トラウトはそう言った。
繰り返していた「引き止める」発言
そのインタビューから数日後、スプリングトレーニング初日を迎えたトラウトは、報道陣が激減したクラブハウスを見回し、笑いながらこう言ったという。