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「僕と妻は高校時代の同級生です」日本代表・森保一監督が明かした“結婚生活”「“パチンコ好き”だった」アマチュア選手を変えた妻の存在
posted2024/02/20 11:03
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph by
AFLO
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「妻が完璧な服を用意してくれる」
名君の陰に賢妻あり――。戦国時代の大名に関する格言だが、サッカー界の監督についても同じことが言えるだろう。
たとえば、マンチェスター・シティを率いるスペインの名将ペップ・グアルディオラは、試合におけるファッションを妻に任せていることで知られている。
妻クリスティーナ・セラは高級ブティックを経営する両親のもとで育ち、ペップと出会ったのも同店でのイベントだった。妻自身も現在バルセロナで自分の店を経営している。つまりファッションのエキスパートなのだ。
イングランド史上初の国内3冠を達成した2018-19シーズンには、試合で着ていたフード付きのグレーのカーディガンが話題になり、シーズン後にオークションに出品されて6000ポンドの寄付につながった。
ペップは公の場で妻への感謝を口にすることをはばからない。かつて自分のもとでコーチを務めたアーセナルのアルテタ監督について「ミニペップと見ているか?」と問われると冗談まじりにこう答えた。
「ノーだ。私の方がいい格好をしているからね。妻がいつも完璧な服を用意してくれている」
「正しい選択ではない」妻のアドバイス
一方、ドイツの名将、ユルゲン・クロップ監督は1度目の結婚は失敗に終わり、ハッピーエンドを迎えられなかった。だが、マインツを率いていた38歳のときに児童文学作家のウラ・サントロックと再婚すると、妻からのアドバイスにも助けられて大きな飛躍を遂げることになる。
ドルトムント時代にはこんなことがあった。マンチェスター・ユナイテッドからオファーがあったが、妻は「正しい選択ではない」と助言。クロップはドルトムントに留まり、その後リバプールから声がかかって2019年にチャンピオンズリーグを制して世界的な名将になった。
「僕と妻は高校時代の同級生なのだ」
日本代表を率いる森保一も、この格言が当てはまるひとりと言えるだろう。『ぽいち 森保一自伝』(西岡明彦との共著)の中で、妻・由美子にこんな感謝の言葉を捧げている。