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長髪でゴツい宮城大弥、山﨑颯一郎は地震の募金を…「これほどのお客は初めて」スタッフ驚き“テレビに映らない”オリックスキャンプ風景 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2024/02/17 11:00

長髪でゴツい宮城大弥、山﨑颯一郎は地震の募金を…「これほどのお客は初めて」スタッフ驚き“テレビに映らない”オリックスキャンプ風景<Number Web> photograph by Kou Hiroo

キャンプ本部に掲出された入場者数。訪れた日は21000人の大入りだった

 日本ハムからトレードで移籍。金足農時代には「球数制限論」を巻き起こすきっかけとなった投手だが、プロではまだ本領発揮とまではいっていない。思えば、あの2018年夏の甲子園、決勝戦で相まみえた根尾昂(中日)、柿木蓮(日本ハム)、横川凱(巨人)、藤原恭大(ロッテ)の大阪桐蔭勢も、吉田もまだ一本立ちしたとはいいがたい。吉田にとってはオリックスへの移籍は頭抜けるための最後のチャンスかもしれない。早々に捕手を座らせて投げ込んでいる。

平野、比嘉の40代コンビに挟まれて

 その右横にリラックスした表情で姿を現したのが背番号16の平野佳寿。昨年日米通算250セーブを記録して名球会入り。3月8日に40歳になるが、衰えは見えない。速球をポンポンと投げ込んだ後に「お化けフォーク」も交えて投げた。

 そして吉田の左には、小柄な右腕投手が。背番号35、平野よりも1学年上、昨年12月に41歳になった比嘉幹貴だ。ワンポイントや先発がKOされた後にマウンドに上がって、きれいに後始末をする。まさに仕事人の風格で、身体をくるっと回転させながらの独特のサイドスローは健在である。

 23歳になったばかりの吉田をはさんで不惑前後の2人が投げる様子は、味わい深い。超ベテラン救援投手が「おい、若いの、野球人生はまだまだ長いんだぜ」と言っているかのようだった。

 一番右手のブルペンで背番号17の左腕が勢いのある球を投げ始めた。2022年のドラフト1位・曽谷龍平だ。筆者は昨年、ファームで圧倒的な投球をするのを見た。山下舜平大、東晃平に続いて一線級になるのはこの投手か――と思えたが、一軍のローテを争うライバルは多く、まだ指定席は確保できていない。

 左端のブルペンでは背番号22のアンダースロー村西良太が投げている。低い位置でリリースされたボールは、筆者の耳元で「シューッ」という音をさせてミットに吸い込まれた。この位置からだとスライダーの軌道も確認できる。

森が吉田、若月は育成左腕のボールを受けていた

 ブルペンに、2人の捕手が現れた。森友哉、若月健矢。オリックスが誇る2人の捕手だ。ブルペン捕手に代わって、彼らが投球を受けはじめた。

 森は吉田輝星の球を受けた。一球一球確かめるようにうなずき、丁寧に返球している。昨年、西武からオリックスに移籍した森は、春季キャンプでは山本由伸など主力級の球を受けて、投手と入念なすり合わせをしていたが、今年は新加入の吉田をリードしている。昨年ベストナインに選ばれるなど主軸となったことで、わずか1年ながらすでに投手陣を引っ張る存在になっているのだ。

【次ページ】 FA加入の西川、そして頓宮も快音を響かせて

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