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久保建英は「悔しさのあまり顔を」「痛みにピッチに拳を叩きつけ…」カメラマンが見たアジア杯後のソシエダ連戦、リアルな表情〈CLも奮闘〉
posted2024/02/15 17:02
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph by
Daisuke Nakashima
2月10日、ラ・リーガ24節レアル・ソシエダ対オサスナ戦の撮影に向かった。
ソシエダ所属の久保建英――この試合後、2029年までの契約延長が発表された――は、アジアカップでの敗退から中2日で国王杯準決勝の対マジョルカ戦でフル出場を果たした。そしてそこから中3日で迎えた今節も先発すると、2試合連続でのフル出場。チームの攻撃を牽引し、改めて存在感の大きさを示した。
ただ……試合を優位に進めながらもCKから失点を喫すると、得点を奪えないまま0-1で敗戦。2シーズン連続でのチャンピオンズリーグ出場権を狙うチームにとって、中位のチームに対して痛い黒星となった。
両チームサポに「クボの帰還」について聞いてみると
早朝に着いたソシエダのホームタウン、サンセバスチャンは分厚い雲に覆われ、冷たい風と時折強い雨が打ち付けていた。それでも16時15分のキックオフに合わせるように、徐々に晴れ間が覗き始め、スタジアム前には多くのサポーターの姿があった。
この日の相手オサスナは、サンセバスチャンより車で1時間ほどのバスク州に隣接するナバーラ州の州都パンプローナのチーム。地域柄、ライバル関係でもありまた良好な関係でもある。観客席にそれぞれのユニホームを纏い、楽しげに話すサポーターを見つけた。
実は2人ともナバーラ出身だという。
〈久保がアジアカップから戻りましたね〉
こう話しかけてみると……。
「良いニュースだよ、スピードがあるし彼が一番の選手だよ」とソシエダサポーターが答えてくれる。するとオサスナサポーターが「ウチらには良くない知らせ、勝つのはこっちだけど」と応戦してくれた。
チラッと見えたユニホームの背中には、10番オヤルサバルの名前が入っていた。
こうして、スペインにもお世辞はあるということが証明された。
とはいえ、やはり久保の活躍を認めているからこそ、はるばる遠くから来ているかもしれない日本人取材者に対して気を遣ってくれたのだろう。
グラシアス。