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「まだこのチームは再生できる」阿部慎之助監督が明かす巨人復活のキーマン「信じてあげたい」丸佳浩への思い…秋広は「まず大人になって」 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph bySANKEI SHIMBUN

posted2024/02/15 11:02

「まだこのチームは再生できる」阿部慎之助監督が明かす巨人復活のキーマン「信じてあげたい」丸佳浩への思い…秋広は「まず大人になって」<Number Web> photograph by SANKEI SHIMBUN

若さと明るさを前面にジャイアンツを引っ張っていく阿部慎之助新監督

――でも、その伝統が失われかけているのではないか。それがここ数年の負け方の理由ではないか、と。

阿部監督 確かにね。でも、何人か分かっている選手はいると思うんです。坂本(勇人内野手)や岡本(和真内野手)、菅野(智之投手)だったり長野(久義外野手)だったりね。長野なんか他球団に行って余計に感じたでしょう。そういう選手が何人かいるだけでも、まだいい。まだこのチームは再生できると思っています。だからそういうものを繋いでいく、伝えていくことが一つ、チームが強くなる上では大事ですよね。負けた時の怖さというかね。今の時代だったら、負けたらめちゃくちゃに言われたり、顔が見えないから、いくらでも批判されたりするじゃないですか。それで精神を病んだりしてしまう選手だっている。そういう怖さもありますしね。

4番打者の役割とは

――そういうチーム作りをしていく中で、勝つためのキーマンとなる選手を、投打1人ずつ挙げるとしたら誰になりますか?

阿部監督 ん~……打は……まあ岡本になるでしょうね。

――どういう意味で?

阿部監督 岡本が打点をどれくらいとれるか。打点と言っても勝利打点です。岡本が勝利打点をずば抜けてとれれば勝てると思います。勝利打点ですね。

――岡本は昨年41本塁打をマークして文句ない数字を残しましたが、28本がソロアーチで得点圏打率も2割3分9厘と低かった。岡本が打っていれば、という試合が結構あったのも確かですね。

阿部監督 去年も93と結構打点を挙げているけども、もっといいところで打っていたら、という場面が多々あったと思います。本人も悔しさがあったと思うんですよ。彼が打てなくてチームが負ける、という事実があったりして、4番としてかなり悔しい気持ちを残したとも思います。そういうものですから、4番というのは。僕自身も4番を経験して、ここぞっていうところで打つのが仕事だ、ということは感じていました。

重要な「5番」候補

――原前監督が「あんなにすごい数字を残している選手は岡本以外にはいないと思う。でも和真がここぞ、で凡退して負けた試合も結構あった」と言っていました。まあそれは逆に言えば、彼の背負っているものの大きさということでもある。

阿部監督 そうですね。期待の裏返しだと思います。原さんがそう言うのは分かりますし、本人もそれは分かっていると思います。4番ってそれだけ重責があるし、試合を左右する打順なんです。僕はそれが4番だと思っています。

――岡本が阿部監督の期待通りにチャンスでガンガン打てば、当然歩かされるケースも多くなる。となると岡本の後を打つ5番打者も非常に大事になってきます。

阿部監督 そうなんですよ。非常に重要になってくる。色々と名前が出ているけど、何でもできる子がいいかなと思いますね。

――坂本とかも考えますか?

阿部監督 坂本はないです。3番坂本、4番岡本はもう決めています。

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