「左対左という概念は捨てます」「阪神だって当たり前のことをしているだけ」巨人を変える“阿部野球”の正体とは…〈新監督インタビュー〉

――投手陣のキーマンは誰になりますか？

阿部監督　大勢！　それだけです。彼が全てです！

――やはりゲームの終盤が課題ということですね。

阿部監督　そうですね。

離脱の大勢には…

――このオフにはオリックスから近藤大亮投手、ソフトバンクから高橋礼、泉圭輔両投手をトレードで獲得。現役ドラフトでも阪神の馬場皐輔投手を指名して、さらに新外国人として元阪神でリリーフに実績のあるカイル・ケラー投手の加入も決まるなど、主にリリーフ陣の層はかなり厚くなったと思います。セットアッパーを含めて後ろの補強もした、だからこそ9回が大事ということですか？

阿部監督　ですよね。やっぱり抑えがしっかりしているチームは強い。それがガタガタってくると、チーム全体、ピッチャー全体に皺寄せがくる。そうするとみんながいらない疲労をしたりして、1年間のシーズンが持ちづらくなる。悪循環が生まれるんですよ。

右ふくらはぎ痛でキャンプは離脱した大勢だが…©︎Nanae Suzuki

すべての写真を見る（40枚）

――大勢は右ふくらはぎ痛で宮崎キャンプから離脱して心配されますが、もしものケースはケラーあたりが抑え候補に浮上してくることになりますか？

阿部監督　もちろんケラーは勝ちパターンに入ってきて欲しいし、終盤のいいところを任せたいというのが構想です。ただ、大勢もそこまで重症ではないとは思うんですけどね。箇所が箇所なので慎重にやらせようと思っています。焦らず、開幕までまだあるし、そこに合わせてくれと伝えました。

――やはり大勢の場合は最大の課題はコンディショニング？

阿部監督　1年間フルに投げられるコンディションだけだと思います。それがきちんとできれば、彼の場合、結果は自ずとついてくるでしょう。やっぱり抑えを任される投手というのは、全てのものを要求される。去年の課題を挙げるとすれば、簡単に走られてしまうとかね、そういうのも克服してもらいたいなと思います。

オリックスから移籍した近藤も存在感を見せている　©︎Nanae Suzuki

セオリーに拘らない

――大勢に繋ぐセットアッパーには誰を予定しているんですか？

阿部監督　どうなんですかね……いま考えている最中で、悩んでいます。候補はいっぱいいますよね。ケラーもそうだし（アルベルト・）バルドナード、中川（皓太）と、まずその3人がいますよね。あと調子が良かったら近藤。彼は経験もあるしね。

【次ページ】　先発候補は「９人くらい」