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「史上最強」は幻想だったのか? 韓国記者が言及する日韓両国がやらかした「まさか」の真相《日本は束手無策(=お手上げ)だった》

posted2024/02/10 17:00

 
「史上最強」は幻想だったのか? 韓国記者が言及する日韓両国がやらかした「まさか」の真相《日本は束手無策(=お手上げ)だった》<Number Web> photograph by GettyImages

敗軍の将となった森保、クリンスマン両監督は2年後のW杯へ向け、チームをどう立て直すのか

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姜亨起

姜亨起Kang Hyeong Gi

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「韓国ドラマでも、奇跡は3回連続で起こりませんから……」

 韓国代表はアジアカップ準決勝でヨルダンに0−2で敗れ、ベスト4敗退に終わった。被シュート数17本に対し、自軍の枠内シュート数は“ゼロ”。スコア以上の完敗に、サッカー専門メディア『HIDDEN K』編集長のリュ・チョン記者もため息をつくしかなかった。

「来るべき瞬間が来た、と感じました。韓国は今大会、決して調子が良かったわけではありませんが、今回ばかりはヨルダンに試合全体通して何ひとつ勝てませんでした」

 韓国は決勝トーナメント以降で劇的な試合を繰り広げてきた。ベスト16ではサウジアラビアに後半アディショナルタイム9分で同点に追いつき、PK戦で勝利。ベスト8でもオーストラリアを延長戦で下した。

 敗退の淵に追い込まれてもしぶとく逆転する戦いぶりは“ゾンビサッカー”と呼ばれ、ユルゲン・クリンスマン監督も準決勝の前日会見でチームの勝ち上がりを「ドラマを書いてきた」と表現した。ただ、リュ・チョン記者が伝えた韓国の大会総括は至ってシンプルだった。

「個人は強いけど、チームは弱い。これが、今大会で一貫した韓国のキーワードでした。韓国はサイドでのビルドアップにこだわり、サイドでボールを持った選手はドリブル突破に固執した挙句、奪われても守備への加担が遅い。そこをヨルダンに徹底的に突かれました。ヨルダンは組織的なサッカーで、韓国の個人能力に依存する“スタープレー”を破りました」

早々と敗退した過去最強チーム

 スポーツ紙の老舗『スポーツソウル』サッカー担当のカン・イェジン記者も、「前半の時点で敗北を予感しました。正直、このパフォーマンスでベスト4まで来られたこと自体、奇跡に等しいです」とし、指揮官に厳しい言葉を投げかけた。

「韓国の選手たちは明らかに体力の限界が来ていました。ですが、毎回同じような起用法に固執し、変化を与えなかった監督の采配に敗退の要因があると思います。今大会は登録メンバーが従来の23人から26人に増えたのに、その利点もまったく活用できませんでした。韓国は戦術が不在です。良い食材が揃っていても、それをまともに料理できなければ意味がありません。結局のところ、監督の能力不足というわけです」

 筆者もスタジアム現地で韓国対ヨルダンを取材したが、それまでの激闘が噓のようなあっけない幕切れに、試合終了からしばらく記者席を立つことができなかった。準々決勝でイランに敗れた日本代表に続き、東アジア勢が大会から姿を消した瞬間だった。

【次ページ】 日韓両国のアジアカップの位置づけとは

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