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浦和レッズ“ヘグモ先生”のカリキュラムが応用編へ…カギは小泉佳穂いわく「監督の正解を知っている」グスタフソンの頭脳〈J1キャンプレポ〉
posted2024/02/07 17:02
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph by
Tatsu Ikeda
ご自身について、どんな性格だと思っていますか――。
浦和レッズの監督に就任して初となる囲み取材で、そんな質問を投げかけられたペア・マティアス・ヘグモ監督はにっこり笑って語り始めた。
「私自身は教師のような立場だと思います。人を教育することが好きですね。そして一人ひとりのベストを見つける。チームの中で選手たちが人間としても成長できるように促しています」
実際、現役時代にはプロサッカー選手をしながら4年間勉強して教員になったと言うし、伊藤敦樹は「哲学を持っていて、それをミーティングでしっかりレクチャーしてくれる監督」だと評していた。囲み取材でも質問者の目を見て、説くように答えてくれる。
“教壇”にもこだわりがあるようで、大原サッカー場のミーティングルームの改装を要求したそうだ。
「キャンプを終えて大原に戻ったら、そこには新たなミーティングルームができているはずです。非常に嬉しいですね」
まずは土台、そこから小出しに積み上げ
新監督を教師とするなら、浦和はまさに今、新しい“カリキュラム”を着々と消化しているところだ。
仮にテキストを100ページとして、20ページくらいは消化しただろうか?
正確な進行具合は定かではないが、「監督はまだ、全然伝え切れていないと思います」という岩尾憲の言葉や、「まずは土台を作って、一つひとつクリアしていく感じ。小出しにしながら積み上げている」といった関根貴大の言葉を聞くと、やはりカリキュラムのチャプター1を終えたに過ぎないのではないか。
おそらく基本編がひと通りレクチャーされ、少しずつ応用編に入っている段階――。
その意味で、2月6日に行われたサガン鳥栖との練習試合は、基本編をおさらいするには打ってつけのゲームとなった。
鳥栖相手の7ゴール、特に主力組の1本目が…
「マンマーク」「5バック」に手を焼いた2月2日の名古屋グランパス戦から一転、「ハイライン」「ポゼッション」志向の鳥栖から奪ったゴールは45分×3本で実に7ゴール(失点は1)。前田直輝、チアゴ・サンタナ、小泉佳穂、興梠慎三、安居海渡、中島翔哉、髙橋利樹と、攻撃陣に軒並みゴールが生まれ、大勝で沖縄キャンプを打ち上げた。