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全米でも速報された23歳日本人ボクサーの訃報…穴口一輝の激闘から何を学ぶべきか「ボクシングには罪の意識を覚える試合が存在する」
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byHiroaki Yamaguchi
posted2024/02/06 11:03
23歳の若さでこの世を去った穴口一輝。対戦した堤聖也や井上尚弥など多くの関係者、ファンが回復を祈ったが、願いは届かなかった
「ボクシングを観て、罪悪感を感じる夜がある」
筆者がかつて翻訳を担当した4階級制覇の名王者ロベルト・デュラン(パナマ)の伝記本、『「石の拳」一代記』の中にそんな一文があった。穴口逝去のニュースを聞き、痛切にそのフレーズを思い出させられることにもなった。
余りにも残酷に身体にダメージを与え合うこのスポーツを好み、興奮し、歓喜することに罪の意識を覚える試合は実際に存在する。ただ、それでもすべてのマイナス点を凌駕するほどに素晴らしいものがあると信じるから、私たちはボクシングを愛し続ける。これからもずっとそうでありたいからこそ、悲しみの最中、少しでもいい方向に向かうための努力を怠ってはならないのだろう。