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箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
「本当に悔しかったです」駒澤大・大八木弘明総監督(65歳)が明かした“箱根駅伝総合2位”の真相…藤田監督に「これから求められるのは…」
posted2024/02/04 11:00
text by
加藤康博Yasuhiro Kato
photograph by
Shigeki Yamamoto
箱根駅伝から約4週間。レースの振り返りも終わり、次への目標と動き出した中、駒澤大総監督の大八木弘明は正月の2日間の戦いを改めてこう振り返った。
「もう監督ではないので、スタート前は気楽さもありました。ただ2位に終わり、本当に悔しかったです。レース直後にもメディアの皆さんに言いましたが、エース3人を並べた3区までで先頭に出られなかったことが大きかったです。ここで後ろを走る展開となると厳しいですね。しかしその3区までも全員が設定タイム以上で走っていますから、私たちにミスがあったわけではないんです。ただレース前半で流れに乗れなかったことが結果的に響いたと思います」
昨年度をもって、監督の座を教え子であり、コーチを務めていた藤田敦史に譲った。オーダーの最終決定も任せ、運営管理車に乗らず移動を繰り返しながら、沿道から指示を飛ばした。かつてない形でかかわる箱根駅伝となったが、「どんな形でも、やっぱり負けたら悔しいですよ」と苦笑いしながら、付け加えた。
「全員、合格点の走りですよ。正直な感想は…」
この1年、春に卒業した田澤廉(トヨタ自動車)に加え、エースである鈴木芽吹、篠原倖太朗、佐藤圭汰の4名を「駒澤大Sチーム」とし、世界を目指す指導を続けてきた。その3人を1区篠原、2区鈴木、3区佐藤と並べる布陣ながら、先頭に立てなかった。
言葉にある通り、3名が会心に近い走りだったことは間違いない。1区篠原は2位に23秒差をつける区間賞。1時間1分2秒は区間歴代2位の記録だ。2区の鈴木の1時間6分20秒は2年前に田澤廉が出した1時間6分13秒に迫るもので、先頭を譲った3区佐藤の1時間0分13秒も区間歴代3位と、3区間それぞれがハイレベルなパフォーマンスだった。