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アジア杯現地取材・英国記者の“中東ガチ評価”「日本vsイランなら事実上の決勝、カタールは前回がピーク」「サウジはクリロナら獲得が諸刃の剣だ」

posted2024/01/30 17:01

 
アジア杯現地取材・英国記者の“中東ガチ評価”「日本vsイランなら事実上の決勝、カタールは前回がピーク」「サウジはクリロナら獲得が諸刃の剣だ」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

2019年アジア杯の決勝はカタールが日本を3−1で下し、初の頂点に立ったが……現状はどうなっている?

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マイケル・チャーチ

マイケル・チャーチMichael Church

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 長年にわたってアジアのフットボールを報じ、今大会も現地で取材を続けている英国出身のマイケル・チャーチ記者によるアジア列強国のレポートをお届けする。各チームのアジアカップ優勝の可能性と、日本との比較も。(翻訳:井川洋一。全2回/韓国・オーストラリア編につづく)

イラン:カタール、イラクより総合力は上

 日本と8強で対戦する可能性が高いイランは、グループステージを3連勝で終えた3チームのひとつだ。同じくパーフェクトで勝ち抜けたカタールとイラク(※GSで日本に勝利したものの、決勝トーナメント初戦ヨルダン戦、2-3で敗れて大会を去った)と比べると、前評判と総合力はこちらが上。過去に3度、この大会を制しているように、伝統的な強豪でもある。

 パレスチナとのグループC初戦を4-1と快勝して上々のスタートを切り、香港とUAEにもきっちりと勝ち切った。おそらく16強のシリア戦も突破すると思えるが、そうなると、きっとバーレーンを下すはずの優勝候補の日本と、事実上の決勝とも言える大一番に臨むことになる。“チーム・メッリ”(イラン代表の愛称)が4度目のアジア制覇を遂げるには、そこが最大の難関になる。

 両者は前回の2019年大会の準決勝でも対戦しており、この時は日本が3-0の勝利を収めて決勝へ進出している。あれから5年、チーム力をより大きく高めたのは日本と思えるが、対戦が実現すれば、激闘になるはずだ。

タレミ、アズムンら豪華な前線も守備陣が…

 イランの最大の武器は、好タレントがひしめく攻撃陣にある。

 メフディ・タレミ(FCポルト)、サルダル・アズムン(ASローマ)の2トップは今大会最強の前線のひとつで、ウイングのアリレザ・ジャハンバフシュ(フェイエノールト)やアリ・ゴリザデフ(レフ・ポズナン)の打開力も相手にとって脅威となる。その後ろから彼らを操るのは、プレミアリーグのクラブで定位置を掴んでいるサマン・ゴドス(ブレントフォード)だ。

 逆に守備陣は、日本ほどのレベルにはなく、選手層もそれほど厚くない。そして主力の多くは30代だ。この強力な世代のイランにとって、今回がおそらく最後のアジア制覇のチャンスとなる。また熱狂的なサポーターの存在は、力になるか、それともプレッシャーになるか。

 イランの48年ぶりの優勝の可能性は、40%ほどだろう。

カタール:「前回アジア杯優勝」がピークだった

 かたや、前回優勝国で開催国でもあるカタールは、自国のファンにもあまり期待されていない。

【次ページ】 カタール:「前回アジア杯優勝」がピークだった

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