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アジア杯現地取材・英国記者の“中東ガチ評価”「日本vsイランなら事実上の決勝、カタールは前回がピーク」「サウジはクリロナら獲得が諸刃の剣だ」 

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マイケル・チャーチ

マイケル・チャーチMichael Church

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posted2024/01/30 17:01

アジア杯現地取材・英国記者の“中東ガチ評価”「日本vsイランなら事実上の決勝、カタールは前回がピーク」「サウジはクリロナら獲得が諸刃の剣だ」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

2019年アジア杯の決勝はカタールが日本を3−1で下し、初の頂点に立ったが……現状はどうなっている?

 2019年に立ったアジアの頂点は、おそらく彼らのピークでもあった。

 その3年後の自国でのW杯に照準を合わせていたはずだったが、グループステージで3連敗した史上初のホスト国となってしまった。その間と以降、フレッシュなタレントはほとんど育っていない。

 2006年から国家プロジェクトのフットボール育成機関アスパイア・アカデミーの責任者となり、世代別とA代表を預かってきたフェリックス・サンチェス監督がW杯後に、16年間に及ぶカタールとの仕事に終止符を打ち、後任にはカルロス・ケイロス監督が就任。レアル・マドリーやポルトガル代表、イラン代表などの監督を歴任してきた指導者はしかし、今大会が開幕するひと月ほど前に、成績不振により双方合意のもと、契約を解消した。

4試合1失点、攻撃陣は前大会の主力がベース

 新監督には、2017年にシント・トロイデンの指揮官に就いたものの、わずか53日で解任されたティンティン・マルケス監督が招聘された。さらなる迷走の可能性もあったが、開幕戦でレバノンを3-0と一蹴すると、タジキスタンと中国にも1-0と勝ちきり、無傷で突破。ここまで3つのクリーンシートを記録したのは、彼らとタイだけだ。

 特に輝きを放っているのは、前大会の決勝で日本を悩ませ、その年のアジア最優秀選手に輝いたアクラム・アフィフ(アル・サッド)。初戦で2得点、第2戦で1得点を記録し、突破を決めた後の第3戦には先発を外れたが、後半に途中出場するとCKを蹴り、今大会のベストゴール候補にも挙げられるハッサン・アル・ハイドス(アル・サッド)の一撃をアシストしている。

 この2人に加え、前大会の得点王にして最優秀選手のアルモエズ・アリ(アル・ドゥハイル)が依然として、チームの攻撃の核となる。その背後にはいまだ無失点の堅陣が構え、2000年代で3度目の主要大会を開催する国にはフットボールファンが着実に増えており、優勝の期待こそかけておらずとも、選手たちを大声援でバックアップしている。

 カタールはラウンド16でパレスチナに2-1で勝利し、準々決勝進出を決めた。強力なホームアドバンテージを生かし、比較的楽な決勝トーナメントを4強まで勝ち上がれば、そこで日本と対戦することが濃厚か。

 前回覇者カタールの連覇の可能性は、60%ほどと考える。

サウジ:“クリロナらビッグネーム爆買い”の光と闇

 最後に、近年の欧州と世界のフットボールを揺るがす国家、サウジアラビア代表について。

【次ページ】 サウジ:“クリロナらビッグネーム爆買い”光と闇

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