酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
大谷翔平が6年間で急上昇「メジャー打球速度ランキング」ライバルはジャッジ、鈴木誠也も適応…「WBC最速185km」村上宗隆の課題は?
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byCTK Photo/AFLO
posted2024/01/24 11:04
WBCイタリア戦での大谷翔平と村上宗隆。メジャー最強クラスの大谷に、日本人スラッガーはどれだけ近づけるか
1位 R.アクーニャJr.(ブレーブス)
195.1km/h 平均152.4km/h=2位
2位 G.スタントン(ヤンキース)
192.3km/h 平均150.2km/h=8位
3位 E.デラクルーズ(レッズ)
191.8km/h 平均146.8km/h=60位
4位 大谷翔平(エンゼルス)
190.9km/h 平均151.9km/h=3位
4位 M.オルソン(ブレーブス)
190.9km/h 平均150.8km/h=4位
6位 J.バーガー(マーリンズ)
190.2km/h 平均147.9km/h=30位
7位 Y.アルバレス(アストロズ)
189.4km/h 平均150.2km/h=8位
8位 W.コントレラス(カージナルス)
189.1km/h 平均146.9km/h=52位
9位 R.ジェファーズ(ツインズ)
188.9km/h 平均145.6km/h=88位
10位 K.マルテ(ダイヤモンドバックス)
188.5km/h 平均146.6km/h=64位
ナショナル・リーグMVPのアクーニャJr.がMaxの打球速度で1位、平均でも2位である。
続いてヤンキースのジャンカルロ・スタントン。Maxの3位にレッズのルーキーのエリー・デラクルーズ。4位にアメリカン・リーグ本塁打王、MVPの大谷翔平、平均では3位だ。4位タイにはナショナル・リーグ本塁打王のマット・オルソンがつけている。
この顔ぶれを見ても、この数字の信ぴょう性が高いことがわかる。
確実性も高い大谷、鈴木誠也と吉田正尚は?
なお、平均打球速度が1位だったのはこの選手。
11位 A.ジャッジ(ヤンキース)
188.1km/h 平均157.1km/h=1位
10位までの選手の中には、レッズのデラクルーズ、カージナルスのコントレラス、ツインズのジェファーズのように、Maxの打球速度の順位に比べて、平均の打球速度の順位が低い選手がいる。こうした選手は、ときおり大きな一発は打つが、好不調の波が大きいということになろう。そういう意味では、平均の打球速度も重要だ。
Maxで4位、平均も3位の大谷翔平は、パワーだけでなく長打を打つ「確実性」も身につけていることがわかる。
なお、大谷以外の日本人打者2人は、以下のランキングになっている。
35位 鈴木誠也(カブス)
188.4km/h 平均147.1km/h=49位
116位 吉田正尚(レッドソックス)
180.7km/h 平均143.2km/h=200位
403人の打者の順位ではあるが、大谷と鈴木、吉田はかなりの差があることがわかる。彼らはアメリカで、大谷の凄さをしみじみと感じているはずだ。
大谷のメジャー1年目からの“進化”は数字でハッキリ
大谷翔平がMLBに移籍した2018年以降、2つの指標の推移は以下のようになっている。順位の後ろの「/数字」は母数。なお、2020年はコロナ禍のため、全60試合とシーズンが短縮されたので100BBE以上の打者も194人と少なくなっている。