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「巨人ドラ1→引退してスカウトに→社会人野球で現役復帰」元プロ野球“消えた天才”からの復活を目指して…ミキハウス・桜井俊貴の挑戦 

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沢井史

沢井史Fumi Sawai

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posted2024/01/24 06:00

「巨人ドラ1→引退してスカウトに→社会人野球で現役復帰」元プロ野球“消えた天才”からの復活を目指して…ミキハウス・桜井俊貴の挑戦<Number Web> photograph by Fumi Sawai

2015年に巨人からドラ1指名された桜井。プロ生活は6年で終止符を打ったが、1年間のスカウト生活を経て社会人野球で現役復帰

 桜井は経緯をこう述べる。

「(視察予定だった)高校野球の練習試合が中止になって、立命大の室内練習場に練習を観に行った時に、立命大硬式野球部のOB会会長(ミキハウスREDS=現ミキハウス元監督でもある藤岡重樹氏)とお会いしたんです。現役復帰について話をしたら、ケガをして引退した訳ではないし、やれるのならそういう道を探してもいいということになって……」

 一度は区切りをつけたはずの思いがより強くなったのは、スカウトとして視察した都市対抗野球予選がきっかけだった。

「一生懸命応援している中で、プレーできるのはいいな」

「会社の人が一生懸命応援している中で、必死にプレーできるのはいいなと思いました。コロナの影響で、応援のない中で野球をやるのが当たり前になりつつあった時を経て、ああいう大声援の中でプレーできるのはいいなと思ったんです」

 桜井は大学から直接プロ入りしており、社会人野球の経験はない。それでも、初めての社会人野球にネガティブな感情は全くなかった。

「仕事と野球の両立は、学生時代の勉強と野球の両立とは違うので、経験値として厚みが出るのかなと。初めてであっても、社会人野球の中で成長していけたらいいと思いました」

 だが、話がとんとん拍子でまとまった訳ではない。

 6月に思いを打ち明けて以降、数カ月間は大きな動きはなかった。その後、10月になって一気に話が進んだが、スカウト業務が最も忙しくなる秋だったこともあり、本業に集中していた。

「スカウト業務を経て色んな社会勉強をさせてもらいました。プロは個人事業主で、自分はどうあるべきかをずっと考えてきましたけれど、スカウトになって色んな人の話を聞く機会が多い中で、人の話を聞いて物事を進めていくことも大事だと思いました」

 話がようやくまとまってきた晩秋。「どっちつかずの状況で打ち明けるのは嫌だった」ため、ようやく上司に打ち明ける時が来た。

【次ページ】 「40歳まで現役を続けられたら」

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