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引退・本田真凜に浅田真央33歳が何度も伝えていた“気遣いの言葉”…後輩スケーターたちに現在も与え続ける影響「マナーの面でも手本だった」
posted2024/01/18 17:00
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
L)Asami Enomoto、R)AFLO
1月11日、本田真凜が競技生活からの引退会見を行った。
その中で印象的な言葉があった。引退を決める中で相談した人、かけられた言葉で印象に残っている言葉などがあったら、という質問に対し、多くの人に感謝しつつ挙げたのは浅田真央の名前だった。
「私にとって本当に憧れの女性であり、憧れのスケーターである浅田真央さんにお話をさせていただく機会があって、その時に最後のシーズンだっていうことをお話しさせてもらったんですけど、いつも私がつらいなって思っている時に何かを察して、こっちから連絡をしない時でも、心に響く本当に素敵な言葉をかけてくださるのが浅田真央さんです」
「一言一句間違わずに言えるくらい自分の中では覚えているんですけど、それは自分の中の秘密にできたらいいなっていうのもあって。『最後まで小さいときから逃げずにここまで頑張ってこれたのはすごい偉いことなんだよ』『新しいスタートも胸を張って思いっきり進んでいけばいいよ』とかけていただきました」
浅田真央「真凜のことを応援している人はたくさんいるんだよ」
本田が語ったように、それまでにも言葉をかけられたことがあった。例えば2021-2022シーズン、「自分の中で誰のために滑っているのか分からなくなっていて、昔のように応援してくれる方はいるのかな」と葛藤しているとき、連絡をくれたのは浅田だった。
「1時間以上、2人でお話をさせていただいたり、練習を何回か教えていただいたり」
会話の中で、「私も含めて、真凜のことを応援している人はたくさんいるんだよ」と浅田は話してくれたという。
「何回も言ってくださって」
その後、浅田との交流を糧としてブロック大会を勝ち抜き、全日本選手権出場を勝ち取っている。