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井上尚弥また快挙? 米リング誌編集長が“年間MVP”選出を確信「タパレスに勝てば、一票入れるつもり」「来年はアメリカで戦って」
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byHiroaki Yamaguchi
posted2023/12/25 17:02
下馬評では圧倒的有利と見られている井上尚弥。老舗誌リングマガジンの編集長はゴングを待ちきれない様子だった
2023年も終盤を迎えた現時点で、井上はテレンス・クロフォード、ジャーボンテイ・デービス、デビン・ヘイニー(すべてアメリカ)、ティム・ジュー(オーストラリア)らとともに今年度の“Fighter of the Year(年間最優秀選手)”の有力候補になっています。今回、タパレスに勝てば、私は井上に一票を入れるつもりですし、“Fighter of the Year”に選ばれる可能性は高いと思います。
また、昨年一度はリングマガジンのパウンド・フォー・パウンド1位に浮上した井上は現在、同ランキングでクロフォードに次ぐ2位につけています。パウンド・フォー・パウンド・ランキングでは対戦相手の質も問われてくるのはご存知の通り。タパレス戦は井上が圧倒的優位と見られていることもあり、ここで勝っても、首位への再浮上は容易ではないかもしれません。それが考慮されるためには、井上がファン・カルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)戦、エマニュエル・ロドリゲス(プエルトリコ )戦、ノニト・ドネア(フィリピン)との再戦でやったように、1〜2ラウンドでの完璧なKO勝利が必要なのではないでしょうか。
「来年はアメリカで戦ってほしい」
タパレス戦をクリアすれば、多くのファンは当然のように“井上が次に誰と対戦するのか”と予測を始めるはずです。スーパーバンタム級で4冠統一を終えた後も、個人的にはもうしばらくこの階級に残って欲しいと願っています。4団体統一王者として、少なくとも一度は防衛して欲しいですね。WBCから(井上対タパレス戦の勝者に)義務付けられたルイス・ネリ(メキシコ)との指名戦は面白い戦いになるんじゃないかと思います。サム・グッドマン(オーストラリア)、アフマダリエフといった上位ランカーとの対戦も興味深いです。
ただ、バンタム級に続いてスーパーバンタム級でも4冠王者になったら、すぐにでもフェザー級への昇級が考慮されたとしても理解はできます。井上のアメリカでのプロモーターであるトップランクはフェザー級に多くの好選手を抱えており、IBF同級王者ルイス・アルベルト・ロペス、WBO同級王者ラファエル・エスピノサといったメキシカンのタイトルホルダーたちへの挑戦は魅力的なイベントになりますね(注・エスピノサはまだトップランク傘下ではない)。
いずれの階級で戦うにしても、2024年は“モンスター”がまたアメリカで戦う姿を見たいというのが私の希望でもあります。