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井上尚弥また快挙? 米リング誌編集長が“年間MVP”選出を確信「タパレスに勝てば、一票入れるつもり」「来年はアメリカで戦って」

posted2023/12/25 17:02

 
井上尚弥また快挙? 米リング誌編集長が“年間MVP”選出を確信「タパレスに勝てば、一票入れるつもり」「来年はアメリカで戦って」<Number Web> photograph by Hiroaki Yamaguchi

下馬評では圧倒的有利と見られている井上尚弥。老舗誌リングマガジンの編集長はゴングを待ちきれない様子だった

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杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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Hiroaki Yamaguchi

 2階級目の4冠制覇という男子ボクシング史上2人目の偉業は達成されるのか。12月26日、WBC、WBO世界スーパーバンタム級王者・井上尚弥(大橋)が有明アリーナでWBAスーパー、IBF同級王者マーロン・タパレス(フィリピン)と対戦する4団体統一戦には世界中のボクシングファンの目が集中することになるだろう。

 昨年12月13日、ポール・バトラー(英国)に圧勝してバンタム級の4冠統一を果たした井上が勝てば、わずか1年強で2階級の完全統一というとてつもない偉業となる。一方、31歳のタパレスもバンタム級との2階級制覇を果たした強者であり、“打倒モンスター”に向けて腕を磨いてきた。

 スーパーバンタム級への昇級初戦で階級最強と見られたスティーブン・フルトン(アメリカ)に圧勝した井上が、下馬評通りにタパレスも圧倒するのか。前戦で同階級ではフルトンに次ぐ存在と見られたムロジョン・“MJ”・アフマダリエフ(ウズベキスタン)を破ったタパレスが勢いを保ち、大番狂わせを起こすのか。軽量級ボクシングにも精通し、井上をかねてから高く評価するリングマガジンのダグラス・フィッシャー編集長に今戦の展望、予想をじっくりと語ってもらった。

※以下、フィッシャー編集長の一人語り

「フルトンほど才能には恵まれていないが」

 私は井上対タパレス戦を本当に楽しみにしているんですよ。タパレスは豊富な経験とハートの強さを備えた実力派のベテランです。フィリピン出身のチャンピオンは井上が前戦で対戦したフルトンほどの才能には恵まれていないかもしれませんが、心身両面のタフネスでは勝っているのでしょう。

 井上対タパレス戦はアメリカのハードコアなボクシングファンの間でも井上対フルトン戦ほどの興味は持たれていないのだとしても、現在のスーパーバンタム級では最も重要な一戦であることは間違いありません。この試合には同階級の4つのタイトルと、由緒あるリングマガジンの同級王座が懸けられています。私のようなボクシングマニアがエキサイトしているだけでなく、タパレスの出場によってフィリピンの人々は活気付いており、世界中のファンにとってもその期待感は同じのはずです。

【次ページ】 “やりにくいボクシング”が井上に通用するか

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