〈走塁で気になったこと〉

「2アウト二塁もしくは、一・二塁でのケース、皆さんどういう気持ちでいますか？ 2アウトだからバットにボールが当たった瞬間にスタートして、一気にホームを狙う。これは当たり前のことです。

　では——2アウト二塁で2ストライクになった時の走塁のイメージはどうか。その際は『スイングゴー』『ストライクゾーンゴー』です。皆さんの中には2アウト二塁2ストライクなのに、バッターが空振りしても止まっている、もしくは塁に戻ってくる選手がいる。ちょっとしたことですが、僕らはこういった動きも見ています」

走塁1つにもどこまで突き詰められるかを平野氏は説いた　©JIJI PRESS

〈NPBで盗塁をするには？〉

「プロだとみんな1.1～1.2秒ですが、皆さんは1.3～1.5秒で、少し遅いかなと。1.3秒だとプロの一軍だとスタートを切ってきます。もしクイックするとコントロールが乱れてしまうのなら、牽制などで一塁ランナーの抑え方をテーマにして練習するといいかと思います。

　キャッチャーに関してはプロだと（捕球から送球到達まで）1.8秒を目指しています。二塁ベースまで。台湾プロ野球だと2秒くらいです。

　ピッチャーのクイックが1.1秒台でキャッチャーが1.8秒と仮定すると、足したら3秒ジャストくらいで、タッチの0.5秒が加わる。だから日本のプロ野球で盗塁するなら、3秒くらいを目指さないと厳しくなります。

　盗塁するなら、投手が動く前にスタートするか、どの球種で行くか、キャッチャーのサインを盗むのか、あとはデータを取って、このピッチャーやバッテリーは“あるカウント”で緩いボールを投げることが多い、ワンバウンドするようなボールが多いから行くなど。根拠を持つのもプロに求められる高度な技術です」

風が強い日にこそロジンバックを使うワケ

〈こんなランナーは走らない？〉

「投手、捕手の側から見た場合、ファーストに走者が出塁したとします。一塁で走塁用手袋、ガードをつける時に、手袋をつけながらリードをしている人は、まず盗塁しないんです。そこから走ったとしても出遅れてアウトになるので、捕手は牽制が必要ないといえます。逆に言えば、走者はそういった行動も見られていると意識してほしいです」

〈風が強い日の対処〉

「今日は風が強かったですね（※この日の宜野湾球場は強風の吹く中で試合開催され、フライを落球する選手が見受けられた）。みんなはどんな対処をするか、僕は見ていました。

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