- #1
- #2
酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
「プロは細かな部分、見てるんですよ!」熱弁にトライアウトL参加者の表情が…オリ阪神OB平野恵一44歳の野球論が深イイ
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKou Hiroo
posted2023/12/26 17:01
ジャパンウィンターリーグ視察中、インタビューに応じてくれた平野恵一さん
こういった日、僕はポケットに必ずロジンバッグを入れていました。お尻のロジンバッグを叩くと、自分の周囲の風の動きが分かって、そこで判断します。さらに球場によってはバックネットで囲われているので、低いところと高いところの風の舞い方が変わる。そういう時は上の風は旗を確認しつつ、自分の周りはロジンを叩いてチェックするんです。
そして風が強いときはフライが飛んだ場合、早めに声を出してはダメです。ファーストフライだと決めつけた当たりが戻ってくることもある。そういうときの野手の指示の出し方も、しっかりと見ていますよ」
プロの指導者はこんなことも、あんなことも見ている
平野恵一氏は「プロの指導者はこんなことも、あんなことも見ている」と繰り返し選手たちに伝えていた。平野恵一氏は「上のレベル、プロを目指す」とはどんなことなのかを、実例を挙げて熱弁したのだった。
このあと、平野氏はグラウンドで守備の足の運び、力の入れ方などをレッスンし、若い選手たちと笑顔で汗を流していた。これでこそウィンターリーグの値打ちありということではないか。
<第1回から続く>
平野恵一Keiichi Hirano
1979年4月7日生まれ、神奈川県出身。桐蔭学園高、東海大学から2002年、ドラフト自由獲得枠でオリックス・バファローズに入団すると内野手、外野手として活躍。2008年には阪神にトレード移籍。2013年に再びオリックスへ。14年の現役生活で1260試合1184安打。二塁手としてベストナイン、ゴールデン・グラブ賞各2回、オールスター出場4回。