メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
大谷翔平が自宅で告げた「ドジャース入り」の決断…エンゼルスと大谷はなぜ別れることになったのか? 移籍で明らかになった“29歳の価値観”
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byGetty Images
posted2023/12/18 17:03
12月14日、ドジャース入団会見を行った大谷翔平
たとえエンゼルスがドジャースと同じ条件を提示しても…
エンゼルスのモレノオーナーが同じ条件を受け入れたとしても、結果がどうなっていたかはわからない。答えは大谷のみぞ知るということになる。だが、今回の一大騒動、顛末を振り返り思うことがある。
大谷が「今、勝ちたい」という思いを優先させた事実だ。9頭身とも言われる格好よさ、お肌ツルツルの美貌、永遠の野球少年のような爽やかな笑顔。若々しい姿とプレースタイルにはまるで万年青年のような印象を持つ。だがその彼もすでに29歳。野球選手で考えれば、先が見え出した中堅どころとなる。
確かに一意専心に野球と向き合う大谷であれば、この先15年プレーすることも可能だろう。だが、大谷の言葉にもあるように「野球選手としてあとどれくらいできるかは誰もわからない」。高校時代に作った目標達成シートの中でスケジュールが遅れているのも「ワールドシリーズ制覇」の項目。と考えれば、たとえエンゼルスがドジャースと同じ条件を提示しても、結論は同じだったのかもしれない。
何から何まで異次元、スペシャルと捉えられる大谷も来年7月には30歳を迎える。今を重視する決断は、彼も生身の選手だということを物語っている。