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大谷翔平が自宅で告げた「ドジャース入り」の決断…エンゼルスと大谷はなぜ別れることになったのか? 移籍で明らかになった“29歳の価値観”
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byGetty Images
posted2023/12/18 17:03
12月14日、ドジャース入団会見を行った大谷翔平
「エンゼルスはスペシャルだ。だから少なくとも最後にディスカッションする権利があると思っていた。そして、それを私は行使した。なぜなら彼(翔平)はそこでプレーするのが本当に好きだった。そこにいる人をすべて愛していた。だから私は彼らに機会を与えるアイディアを逃したくなかった」
大谷の思いを汲んだ代理人のエンゼルスへの誠意。だが、返答は彼らが期待したものではなかった。
自宅で伝えた「ドジャース入りの決断」
ロサンゼルス・タイムズ紙をはじめ複数の米メディアが伝えたところによると、アート・モレノオーナーは契約総額、年数、後払い等、同じ条件でのオファーには応じなかったという。過去にエンゼルスとしての事例がないということがモレノオーナーの決断理由だったとされている。
この返答は大谷の決断を迅速にさせた。後払い方式は自らのアイディアによるものであったからだ。
「もともと後払いというのは、どの選手も大型契約にはつくものではあるので、そのパーセンテージについては選手に一任するというところではありますし、そこを含めて自分が今、受け取れる金額を我慢して、ペイロールに柔軟性を持たせるのであれば、僕は全然後払いでいいです」
そして8日午後5時、バレロ代理人は動いた。USAトゥデーのボブ・ナイチンゲール記者によれば、エンゼルスの返答を持ち大谷の自宅を訪ねた。大谷はそこでドジャース入り決断の意思を伝えたという。それでも最後まで大谷はエンゼルスへの思いを口にした。
「私にメジャーリーガーとして最初のチャンスを与えてくれたエンゼルスのみなさん。今、振り返っても素晴らしく大切で忘れられない6年間を、そんな思い出をありがとうございました」
「来るということは去るチームもある。日本でいえばファイターズ、今回はエンゼルスを去りましたけど、そこの寂しさというのも心の中にあるのは事実と思います」