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中日入りの中田翔が「本当に望んでいた」ただ一つのこと…「背水の陣」立浪和義監督が秘める“勝負手”と「バンテリンドームの吉兆」
posted2023/12/10 11:00
text by
小西斗真Toma Konishi
photograph by
JIJI PRESS
今年のストーブリーグで野球ファンをあっと言わせたのは中田翔の中日への移籍だろう。12月6日に名古屋市内で入団会見に臨み、立浪和義監督と笑顔でツーショットに収まった。
まず驚かせたのは移籍の方法だろう。当初はFA権を行使するかどうかで注目されていたが、宣言期間ギリギリに中田サイドから巨人に伝えられたのはFA権ではなくオプトアウトの行使だった。中田は22年オフに巨人と3年契約を締結。まだ1シーズン終わったばかりだが、そこには中田から見直し、破棄が可能な条項が盛り込まれていた。坂本勇人が三塁にコンバートし、岡本和真が一塁で起用されるケースが増え、中田の出場機会は限られてくる。先発での出場を重視する中田は、権利の行使を決断した。
実質的にはFAだが、大きく違うのは獲得球団(中日)から巨人への補償が不要という点である。これにより中日は選手(人的)も金銭も出すことなく、中田と交渉することが可能になった。2年、年俸3億円という契約内容は、破棄した巨人との条件を、ほぼそのまま保証する条件だとみられている。もちろん中田からしても大満足の契約だろう。