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寮抜け出し、遅刻続出…原晋は青学大をどう変えたのか? 監督就任から選手に伝え続けた“人として当たり前”のルール
text by
原晋Susumu Hara
photograph byNanae Suzuki
posted2024/01/02 06:01
今年で就任20年目を迎える青学大・原晋監督。チームをどう変えたのか?
ですから、いくら一流のスタッフを集めて効果的なトレーニングをしたとしても、睡眠時間が常に2時間なら、その効果はまず発揮されないでしょう。また、日頃から暴飲暴食をしているのに、レース直前になって急に節制しても、走るスタミナがつくわけがありません。ベンツやポルシェといった高級車でも、ガソリンがなければ走らないのと同じです。
陸上選手の核は、「規則正しい生活」と「適切な栄養補給」なのです。
就任当初の苦悩「寮を抜け出しマンガ立ち読み、遅刻続出…」
青学陸上競技部の場合、朝5時起床、門限22時、消灯22時15分が基本です。また、朝食と夕食は栄養を管理した寮の食事をとり、寮内の自室はもちろん、食堂や廊下など共有部分は全員で掃除をします。特別な生活スタイルではありません。ただ、こうした人として当たり前の生活を定着させるのに、監督就任から3~5年はかかりました。
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2004年の監督就任当初は、朝の練習に遅刻する部員がたくさんいました。練習場までの800メートルさえ走らず、コンビニに立ち寄る部員がいたのも覚えています。寮を抜け出してコンビニで漫画を立ち読みしていたり、外泊したりする部員もいました。
そんな部員たちに規則正しい生活の重要性を根気強く浸透させることができたのは、それが結果につながることを私自身確信していたからです。