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「僕は予備兵士」ウクライナ代表スケーターは記者陣に“ある言葉”を伝えた…練習場所はキーウのショッピングモール「現状を伝える義務がある」 

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田村明子

田村明子Akiko Tamura

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posted2023/12/05 11:05

「僕は予備兵士」ウクライナ代表スケーターは記者陣に“ある言葉”を伝えた…練習場所はキーウのショッピングモール「現状を伝える義務がある」<Number Web> photograph by Akiko Tamura

ウクライナ代表としてGPエスポー大会に出場したイヴァン・シュムラッコ

ロシア選手への思いを聞くと…

 現在、氷上でのトレーニングは週に10時間ほど。一般滑走時間のなかで混まない時間帯を見計らい、チケットを購入して滑っているという。キーウでは、一般市民がスケートを楽しむくらいの平和は保たれているということが、少しだけ救いではある。

 ロシアの選手は、現在もISUの国際大会から締め出されたままの状態だ。そのことに関する気持ちはどうなのだろう。

「色々な立場から、それぞれの言い分があると思います」

 感情的になることもなく、淡々とシュムラッコはそう言った。

「でも僕には、彼らの立場を理解する義務はありません」

 選手たちには戦争責任はない、という意見に対する彼の率直な気持ちなのだろう。あなたにはもっと他に心配する優先事項がありますものね、と言うと「その通りです」と静かに頷いた。

記者陣にシュムラッコが伝えたかったこと

 次の目標は、1月にリトアニアのカウナスで開催される欧州選手権で良い演技をすることだという。現在ウクライナからの旅客機便は運航しておらず、陸路でポーランドやスロバキアなどを経由して行くしかない。キーウからエスポーまでは30時間かけてたどり着いたというシュムラッコ。カウナスまではどのくらいの時間がかかるのだろうか。

「戦争中だと言っても、人生は続いている。僕たちは生活を続けて、生きていかなくてはなりません」

 言葉で励ます以外、何もできずに無力感に陥る我々記者たちに、シュムラッコは逆に慰めの言葉をかけてくれた。

「あなたたちのような海外のメディアの人たちがこうして興味を持って話を聞いてくれるだけで、とてもありがたく思っているんです」

 侵略戦争が1日でも早く終結し、彼や他のウクライナの選手たちが、通常のトレーニング環境に戻れる日が来ることを、心から願ってやまない。

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