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井上尚弥“4団体統一”が実現したら…次はラミレス?「イノウエがフェザー級に上がってくるなら対戦は問題ない」「また日本に行きたい」 

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杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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photograph byDaisuke Sugiura

posted2023/12/05 18:30

井上尚弥“4団体統一”が実現したら…次はラミレス?「イノウエがフェザー級に上がってくるなら対戦は問題ない」「また日本に行きたい」<Number Web> photograph by Daisuke Sugiura

12月9日に防衛戦を控えるWBO世界フェザー級王者のロベイシ・ラミレス(30歳)。井上尚弥のスーパーバンタム級4団体統一が実現すれば、次のターゲットになり得る存在だ

 日本での私は井上がフルトンに挑戦した試合のセミファイナルで清水と戦いました。近い将来の井上戦が話題になっていることは知っていますが、それについてまだ私が言えることはありません。私は戦わなければならない相手と戦うだけ。まだあと数年はフェザー級で戦いたいと思っているので、井上がフェザー級まで上がってくるのであれば、対戦するのはまったく問題ありませんよ。

 井上の前戦をライブで見て、特に印象的だったのは、彼が多くのパンチを出してくることです。ただ出すだけでなく、いつ、どこにパンチを打ち込めばいいかをしっかりと理解しているという印象でした。どうやってパンチを出せば相手にダメージを与えられるかを熟知しているボクサーですね。

 また、試合当日の有明アリーナは素晴らしい雰囲気であり、井上が日本のファンに愛されていることは十分に見て取れました。フルトンに勝った一戦での井上のボクシングは素晴らしかったですが、そこで作り出された空気はそれ以上に印象的だったかもしれません。井上がどれだけすごい選手か、どんなストーリーを紡いできたかは私も理解していましたが、それでも日本の会場の熱気には感銘を受けました。

井上尚弥は“過去最高の相手”になる?

 私はこれまで多くの試合を経験し、すべてを思い出すのは難しいくらいの優れた選手と対戦してきました。印象深い戦いもたくさんありました。だから過去最高の相手を選ぶのは難しいですが……リオ五輪の決勝で戦い、金メダルを勝ち取ったシャクール・スティーブンソンとの一戦はやはり思い出深いものではあります。井上と戦えば、井上が過去最高の相手になる? そうかもしれないですね(笑)

 私は現時点でもプロの世界王者ですが、レガシーを築き上げたとは思っていません。世界フェザー級の4団体統一王者になるのが今の目標であり、それに向かって一歩一歩、近づいていきたいと願っています。同じトップランク傘下のIBF王者ルイス・アルベルト・ロペス(メキシコ)といった対抗王者との統一戦は、プロモーターが望むなら、実現するのでしょう。最高の選手と戦う準備はできています。まずは12月9日の防衛戦に集中し、その後のことはそこで見えてくると思っています。

 フェザー級を4冠統一できたら、もしかしたら上の階級に上げるかもしれませんね。ただ、今はそれを考える時ではありません。私はこれまで人間としても、ボクサーとしても、“ステップ・バイ・ステップ(一歩ずつ)”という言葉を念頭に生きてきました。まずはフェザー級での目標を完遂しない限り、他のことは考えられないのです。2度目の防衛戦にしっかりと勝ち、2024年も前に進んでいくつもりです。

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