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井上尚弥“4団体統一”が実現したら…次はラミレス?「イノウエがフェザー級に上がってくるなら対戦は問題ない」「また日本に行きたい」
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byDaisuke Sugiura
posted2023/12/05 18:30
12月9日に防衛戦を控えるWBO世界フェザー級王者のロベイシ・ラミレス(30歳)。井上尚弥のスーパーバンタム級4団体統一が実現すれば、次のターゲットになり得る存在だ
私はマイアミに住んでいますが、試合前の練習はラスベガスのイスマエル・サラス・トレーナーの元で行っています。2019年12月以降、コンビを組んできたサラスはボクサーのことを本当によく理解してくれるトレーナー。フィジカル面でいつ指示を出せばいいか、メンタル面のアドバイスがいつ必要かなどを理解しています。試合中の戦略を立てる能力にも非常に長けており、彼のそういった能力は“ギフト(贈り物)”だといっていいでしょう。だからこそ彼は世界最高級のトレーナーなのです。そんなトレーナーの元で様々な面に磨きをかけ、多くの武器を持ってこれたからこそ、私はプロのハイレベルの戦いを勝ち抜いて来れたのでしょう。
私にとっての前戦にあたる7月25日の試合は日本で行い、事前からの戦略通りにいい戦いができたと思っています。アマチュアで実績のある清水聡(大橋)に5回TKO勝ち。カットマンのジェイコブ・“スティッチ”・デュランからは、「これほどすべての面でプラン通りに戦う選手は初めてだ」と言ってもらえたんですよ。私自身としても、あの試合の内容には満足しています。
「寿司が美味しかった」「また日本に行きたい」
試合から離れた部分でも、来日は素晴らしい経験になりました。日本ではとても素敵な人たちと時間を過ごし、ハッピーでした。日本人はとても細部まで気を配ってくれる人たちですね。また、食事も素晴らしかったです。サラストレーナーと日本人の奥さんが私をいろいろな場所に連れて行ってくれ、寿司はやはり美味しかったです。名前はわからないですが、他の料理にも可能な限りトライしました。本当にいい思い出になりましたし、ぜひともまた日本に行きたいと願っています。
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ラミレス対清水戦は井上対スティーブン・フルトン(アメリカ)のセミファイナルで行われ、ESPN+で全米にも生配信された。清水が井上と同じ大橋ジムだったことも理由の1つだが、ボクシングのプロモーターは長期視野でのストーリー作りを好むのはファンならご存じの通り。トップランクのボブ・アラム・プロモーターは、井上対フルトン戦よりも前からフェザー級での井上対ラミレス戦の可能性に言及していた。両選手がこのまま勝ち続け、井上にスーパーバンタム級でのやり残しがなくなれば、フェザー級でのラミレス戦はそれほど遠くない時期に実現しても不思議はないのだろう。
来日前、「“モンスター”というニックネームがすべてを物語っている。このスポーツに必要なすべてを持っている」と井上を評していたラミレス。自身の後に登場した井上の試合を生で観て、やはり鮮烈な印象を受けたようである。
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