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井上尚弥“4団体統一”が実現したら…次はラミレス?「イノウエがフェザー級に上がってくるなら対戦は問題ない」「また日本に行きたい」
posted2023/12/05 18:30
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph by
Daisuke Sugiura
WBC、WBO世界スーパーバンタム級王者・井上尚弥(大橋)は12月26日、有明アリーナでWBAスーパー、IBF王者マーロン・タパレス(フィリピン)と同級の4団体統一戦を行う。軽量級のビッグファイトとして、またも世界のボクシングマニアの注目を集めることになるのだろう。
飛ぶ鳥を落とす勢いの“モンスター”よりも一足先に、“次のライバル”も動き出している。WBO世界フェザー級王者ロベイシ・ラミレス(キューバ)は12月9月、フロリダでラファエル・エスピノサ(メキシコ)との2度目の防衛戦を開催する。ラミレスはロンドン五輪フライ級、リオ五輪バンタム級の金メダリストで、リオ五輪決勝ではシャクール・スティーブンソン(アメリカ)に最後の黒星を味わわせたことでも知られる。プロでも期待通りに世界王座に辿り着いたサウスポーは、デビュー戦でまさかの黒星を喫して以降は13連勝(8KO)の快進撃を続けてきた。
12月20日に井上と同じ30歳を迎えるラミレス。7月、日本で清水聡(大橋)に5回TKO勝ちで初防衛に成功し、日本人ボクサーとも関係の深いイスマエル・サラスをトレーナーに持つという縁もある。井上、ラミレスの両者を傘下に収める米大手プロモーター、トップランクの視界に両者の直接対決が入っていることは間違いないだろう。
11月下旬、ラミレスにリモートインタビューでじっくりと話を聞いた。2018年にキューバから亡命し、短期間でアメリカでも力を認められた実力者の言葉からは、“まだまだ上にいける”という近未来への期待感が浮かび上がってくるようだった。
※以下、ラミレスの1人語り(インタビューは英語/スペイン語の通訳を通じて収録している)
“世界最高級のトレーナーと”2度目の防衛戦へ
今回の2度目の防衛戦に向け、私は順調にトレーニングを積み重ねてきました。絶好調ですし、戦うための準備は十分に整っています。対戦相手のエスピノサはいいボクサーで、21戦全勝(18KO)という優れた戦績を残してきた選手。フェザー級では珍しいほどの恵まれた長身ですし、好試合になるだろうと私も楽しみにしています。
12月9日の試合はトップランクとESPNが主催する2023年最後のアメリカ興行とあって、私も力が入っています。過去5勝中4勝はKOで勝てていますが、今戦もKOできるかどうかは試合がどう進んでいくか次第。KOにしても、判定にしても、ファンに素晴らしいショーを見せるつもりでいますよ。