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「今思うと、一匹狼だった」“美しすぎる女子野球選手”の葛藤…引退から2年、加藤優(28歳)の告白「夜遅くまで接待じゃないですけど…」
posted2023/11/22 11:02
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph by
Shiro Miyake
オフホワイトのスカートにジャケット。グラウンドを駆け回っていた現役時代からは想像もつかないような柔らかい雰囲気を纏って、加藤は取材場所に現れた。ボブヘアの髪色は鮮やかなピンク。のびやかな表情が印象的だ。
加藤優さん(以下、加藤) 目が優しくなったってよく言われるんです。自分じゃ全然わからないんですけどね。現役時代はキリッとしていたみたい。目で殺すくらいの感じで(笑)。
――髪の毛の色も素敵ですね。
加藤 1年前ぐらいからピンクなんです。今までずっと黒髪だったんですけど、一回ぐらい脱色してみたいなと思っていたんです。それで一度金髪にした後に、ピンクにしました。
――女子プロ野球時代は、ヘアカラーは禁止だったんですか?
加藤 ダメでしたね。カラーもネイルもダメで……。そういうところのオシャレはできなかったんですけど、みんなこっそりと少しだけ茶髪にしたり、まつ毛のエクステとかはやっていましたね。でもたまに頭髪検査のようなものがあって、「黒く染めてきて」って言われる選手もいたりして。
「たぶん日本初?」女子限定の野球スクールを立ち上げ
2021年夏に現役引退し、昨年6月に出身地の神奈川県秦野市で女性コーチが女子小学生を教える野球スクール「Sunny Catchball 女子野球塾」を立ち上げた。今年7月からは東京都内で男女問わず小学生を教える野球塾も開校し、営業活動や指導などに飛び回る毎日だ。
――女性コーチが女子を教えるというのにはこだわりが?
加藤 そもそも女子限定の野球スクールっていうのがなかったので、たぶん日本初? 私がやるのなら、あえて女子限定に絞ってみようかなと思って立ち上げました。
――実際に野球をやる女子は増えているのでしょうか?
加藤 今野球塾には15人います。私が小さい頃は、市内に2、3人いるかどうか、という感じだったので、本当に増えたなと実感しています。
――ご自身は5歳から野球を始めています。そもそもは何がきっかけでしたか?
加藤 父が自分で立ち上げた少年野球チーム(秦野ドリームス)だったんですけど、母はマネージャーをしていて兄もそこで野球をしていた。最初はちょっと強制的に連れて行かれた感じですけど、小さい頃は好奇心旺盛だったのですぐに夢中になりました。
――チームで女子は1人だけでしたか?
加藤 最終的に中学までリトルリーグと、ボーイズリーグの2カ所でプレーしていましたが、どちらにも私の他にもう1人女の子がいました。よく、女子相手だと男子が意識してしまってキャッチボールや柔軟体操などでペアを組んでくれない、というような話も聞きますが、私はその女子がいたこともあって、あまり困ったことはなかったですね。