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モータースポーツPRESSBACK NUMBER
「失踪した父が知らない女性と…」「“砂時計ボディ“の愛称、気に入ってます」レースクイーン・藤井マリーの激動半生「なぜ化粧品販売からサーキットに?」
text by
田中仰Aogu Tanaka
photograph byShiro Miyake
posted2023/11/19 11:00
レースクイーン・オブ・ザ・イヤー22-23で頂点に輝いた藤井マリーさん。レースクイーンとなるまでにも波乱万丈な人生があった
――スポンサーの方も気さくといいますか、現場の雰囲気も明るいんですね。
藤井 所属チームによって変わりますね。ざっくり言うと、トヨタ系列はポップな雰囲気でエネルギッシュ、ホンダ系列や日産系列は歴史を大切にする少しお堅めの印象です。なので、所属チームによってメイクや振る舞い、声のトーンを変えていました。
予習しても想定外だった「サイン」
――ほぼ知識がなかったところからのスタート。実際にやってみてどうでしたか。
藤井 オーディションの3日後にはすぐ本番だったんです。時間がない中、必死に当日の動きやレースのことを勉強して臨みましたが、レースクイーンがサイン対応をすることにはビックリしましたね。初日から、たくさんのカメコさん(カメラ小僧。レースクイーンを撮影するアマチュアカメラマン)に「サインください!」と声をかけていただいて。え? って一瞬固まっちゃって、初日はローマ字でマリーって書くだけの即席のサインをしました。その日の夜は、必死にかっこいいサインを考えましたね。
――確かに意外と、レースクイーンとファンとの距離感が近いんですね。一般客は話しかけられないものかと。
藤井 それこそレースクイーンって、モデルみたいに背の高い女性が、ハイレグの衣装でキリッとクールに決めて……というイメージを持っている方も多いと思います。でも今は違います。最初に所属した「ITOCHU ENEX IMPUL LADY」は特に、ファンサービスを大切にするチームでした。
他のモデルさんみたいに細くないし…
――2017年夏に「代役」としてオーディションに受かってから、6年以上レースクイーンとして活動されてきました。
藤井 1戦のみの予定だったのですが、現場の方々の評判が悪くなかったようで、そのままゆる~く続投が決まりました(笑)。
――そこから“女王”と称されるまでになりました。何が大きかったと思いますか。
藤井 自分の“売り”に気づけたことだと思います。当初は他のモデルさんみたいに細くないし、私なんかがいて大丈夫かな、と不安が勝っていました。そんなときに、あるファンの方から「マリーちゃんは腰のラインがすごい綺麗なんだから。お尻がキュッと上がってる線が、コスチュームに映えるんだよ」と言ってもらって。そこからだんだん、ポージングにもこだわるようになりました。今では「砂時計ボディ」って愛称も気に入っていて、サイン対応時に「砂時計」のイラストも描いてるほど(笑)。レースクイーンになって初めて、自分の体が好きになれました。
<女王にズバリ聞く「レースクイーンは必要か?」編に続く>