- #1
- #2
モータースポーツPRESSBACK NUMBER
「失踪した父が知らない女性と…」「“砂時計ボディ“の愛称、気に入ってます」レースクイーン・藤井マリーの激動半生「なぜ化粧品販売からサーキットに?」
text by
田中仰Aogu Tanaka
photograph byShiro Miyake
posted2023/11/19 11:00
レースクイーン・オブ・ザ・イヤー22-23で頂点に輝いた藤井マリーさん。レースクイーンとなるまでにも波乱万丈な人生があった
――小学校時代、すでに芸能事務所からスカウトされていたとか。
藤井 声をかけられることもありましたが、とにかく自己肯定感が低くて。体の発育も早かったので、160cmくらいあった身長も、お尻も、色黒なことも、すべてコンプレックスでした。普通がよかった、と何度思ったことか。中学生のときに、母の薦めで事務所に入ったのですが、高校2年でやめました。というのも父が失踪して……。母がひとりで子ども3人を育てることになったので、家計のことも考えて、高校卒業後は化粧品会社に就職しました。
――失踪……! お父さまが突如いなくなったのですか。
藤井 小学校低学年の頃に2年間、突然連絡がとれなくなったんです。その後、父の親友が「あなたたちには恩があるから、もう黙っていられない」と情報を提供してくれて。父はパキスタンの実家に帰っていたことがわかって、しかも、また新しい女性と結婚していたというおまけつきでした。
――失踪していただけでなく、パキスタンで新たな家庭を築いていたんですね。
藤井 びっくりしましたけど、パキスタンは一夫多妻制ですからね。加えて、父は9人兄弟の長男だったので、跡取りを作らなければいけなかったそうで。私の母は年齢的にもう子どもが産めなかったので、パキスタンで別の女性と結婚する必要があったんです。失踪した2年で、子どもが2人増えていました。
はじまりは「代役」のオーディションだった
――お父さまとはそれ以降、会っていないんですか。
藤井 いえ、日本に来たときは必ず会ってますよ。この一件のせいか、私の言うことは何でも聞いてくれます(笑)。