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モータースポーツPRESSBACK NUMBER
「失踪した父が知らない女性と…」「“砂時計ボディ“の愛称、気に入ってます」レースクイーン・藤井マリーの激動半生「なぜ化粧品販売からサーキットに?」
text by
田中仰Aogu Tanaka
photograph byShiro Miyake
posted2023/11/19 11:00
レースクイーン・オブ・ザ・イヤー22-23で頂点に輝いた藤井マリーさん。レースクイーンとなるまでにも波乱万丈な人生があった
――話を戻すと、高卒後に化粧品会社に就職されて、販売員として働かれたんですよね。そこからなぜレースクイーンに?
藤井 化粧品会社では販売員として5年くらい働いていたんですが、ある日、事務所にいたときの友人とバッタリ再会して。キラキラしている姿に憧れて、再挑戦してみたくなったんです。業界では23歳って決して若くないし、グラビアでもなんでもやってやろう……そう覚悟して入った数日後、急遽レースクイーンの「代役」を決めるオーディションに誘われました。6年前の夏なので、2017年のことですね。
えっ、ハイレグじゃないの? って(笑)
――レースクイーンの仕事についてイメージはあったのですか。
藤井 露出が多い、ハイレグみたいな衣装を着ている……くらいのイメージしかありませんでした。後で、実態とまったく違うことに気づくのですが。
――オーディションではどのような審査があったんですか。
藤井 (国内最高峰のレース)「スーパーGT」のレースクイーンを決める面接でした。30名くらい集まっていたかな。まずコスチュームが渡されたんですが、ビックリしたのが普通のスカートだったこと。えっ、ハイレグじゃないの? って(笑)。そのコスチュームを着て、「コントローラー」と呼ばれる所属チームのマネージャーとの面接が1次審査で、2次審査が最終でした。といっても、スポンサーさん5人くらいと10人くらいの受験者で、レストランで食事するだけだったのですが。
――雑談の様子から、人柄を見られているわけですね。
藤井 はい。ただ、スーパーGTの選考とあって、ド素人は私だけだったんじゃないかな。他の受験者はみんな経験があるようでした。合格の電話はその日のうちにありましたね。「レースクイーンの仕事は現場で教えるね」と。
所属によってメイクや振る舞い、声のトーンを変えた
――モータースポーツに関する知識がほぼゼロの状態で、合格してしまったんですね。
藤井 スーパーGTには、1台の車にドライバーさんが2人いることすら知らなくて。スポンサーの方がいる前で、「どっちが助手席なんですか」みたいな質問をして爆笑させてしまいました。