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W杯頂上対決でレッドカード、サム・ケインが負った傷の重み。

posted2023/11/18 09:00

 
W杯頂上対決でレッドカード、サム・ケインが負った傷の重み。<Number Web> photograph by AFLO

シンビンを告げられピッチを去るケイン。約5分後、レッドカードを提示されると両手で顔を覆い、唇を噛みしめた

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藤島大

藤島大Dai Fujishima

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AFLO

 サッカーは平原で繰り広げられる。フラットな草の上の20人がもっぱら足で球を扱い、ふたり、ゴールを守る者のみ手を用いる。

 ラグビーは違う。密林がある。かと思えば陽光の照らす広場に出る。泥の河の領有を30人が争いながら、さわやかに宙を跳ぶ。

 丸い球のレフェリーなら全体を見渡せる。楕円のほうはそうはいかない。眼前の細部のすべてがジャッジの対象だ。反則を渉猟すると際限がない。

 先のラグビーのワールドカップ決勝。ニュージーランド代表オールブラックスのキャプテン、サム・ケインが開始27分の頭部へのタックルにより退場を科せられた。せっかくの巨人と巨人の頂上対決は14人対15人の非対称となった。

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