「リーチ一発赤」で回顧した古き良きアマチュア時代。

　凱旋。いくさに勝って帰ること。本物の戦争はまっぴらだがラグビーの英雄の「帰郷」なら大歓迎だ。

　リーチマイケル。日本国籍を得る前はマイケル・リーチ。世界の名声をつかんだラグビー選手はこの7月22日をずっと待っていた。サモアを迎えて日本代表として初めて札幌の地で戦う。

「ずっと楽しみにしてきた。やっと試合ができる」（前日会見）

　2004年6月某日。ニュージーランド南島のクライストチャーチから15歳のマイケル少年が北の都へやってきた。

　札幌山の手高校への留学。評判の「七福鮨」を営む森山家がホストファミリーに手を挙げた。同家の愛息、展行は同校3年のたくましいFWだった。