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「クボ…あいつ止めないと勝てないよ」マドリードのバルで敵地サポが久保建英22歳を超警戒…“動画に映らない”タケの虚ろなジレンマ 

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中島大介

中島大介Daisuke Nakashima

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photograph byDaisuke Nakashima

posted2023/11/02 17:01

「クボ…あいつ止めないと勝てないよ」マドリードのバルで敵地サポが久保建英22歳を超警戒…“動画に映らない”タケの虚ろなジレンマ<Number Web> photograph by Daisuke Nakashima

ラージョ戦ではPK誘発のクロスを送り込んだ久保建英。敵地ラージョ、そしてソシエダファンも熱視線を送る

 通常は朝6時にはオープンして、労働者の朝を手助けするこの店も、今はラージョファンが試合前の腹ごしらえをしている。神聖な撮影前、アルコールなど飲みたくはないが、取材のためには致し方ない――と、いやいやビールを頼む。

 するとチョリソと生ハムの切れ端が突き出しとして提供される。頼んだトルティージャは、可もなく不可もなくといった出来栄えだったが、サイズは大きく、労働者の味方だ。

 カメラを出すと、店主はニコニコしながらパンの盛り付けを変えてくれ、撮影にも協力的でフレンドリー。ただ申し訳ないけど、映え写真は撮れなかったよ……。

「あいつ止めないと、今日は勝てないよ」

 さらに、いやいや2杯目のビールを頼むと、同じ付け合わせがサービスされ、お腹はいっぱいに。隣の客に耳を傾けると〈マジョルカ〉〈ヘタフェ〉というワードが聞こえてきた。

「あれ、久保のこと話してる?」なんて聞いてみると、

「そうだよ、最近スゴいからな。あいつ止めないと、今日は勝てないよ」と。

 久保の最近の活躍は、ラージョファンの元にまで届いており、地元紙に組まれた特集記事などで、マジョルカ時代のこと、元はマドリーが買ったけど、バルサ(下部組織だが)にもいたらしいなんてことまで知っていた。

「ラージョにきたら歓迎される?」との問いには、

「当たり前だよ、でも高いんだよ。うちらには無理だ」と即答だった。

 一見の異国人にも優しいオーナーにお客さんと談笑していると、突然店内からブーイングが。

「ソシエダのバスが来るぞ、カメラを出せ」と、言われるがままに撮影し、お暇となった。

独特すぎるスタジアム形状にびっくり

 スタジアム内部に入ると、これまたびっくりさせられる。

 片方のゴール裏には客席が設けられておらず、壁となっている。そしてその裏には、ピッチを覗き込むことができる住宅があり、やや寂れていると思った住宅も、ラージョファンにとっては、特等席となり得るものだった。

 以前、試合中に蹴り上げられたボールがベランダに飛び込むこともあったほどだ。

 先発の久保は、紺色のセカンドユニフォームをまとって登場した。

【次ページ】 “FKを蹴らせろ”と言わんばかりにボールを

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