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欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
「クボ…あいつ止めないと勝てないよ」マドリードのバルで敵地サポが久保建英22歳を超警戒…“動画に映らない”タケの虚ろなジレンマ
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2023/11/02 17:01
ラージョ戦ではPK誘発のクロスを送り込んだ久保建英。敵地ラージョ、そしてソシエダファンも熱視線を送る
見るからに横幅の狭いピッチは、ポゼッション指向のチームにとっては難所となる。久保、バレネチェアの両翼がサイドに張っても、守備ラインを広げることは難しい。
相対する敵を振り切っても、すぐ目の前にカバーの選手が待っている。またピッチと客席の距離も極端に狭く、特にCKの際には、観客の目と鼻の先に選手を見ることができ、アウェイチームにとっては、強い圧を感じることとなる。
前半31分、セットプレーのこぼれ球を拾ったムーミンのゴールでラージョが先制する。しかしソシエダも41分、オヤルサバルのゴールで同点に追いつき前半を終えた。
後半に入って66分には、ワンツーで抜け出した久保のクロスがPKを誘発、オヤルサバルが決め逆転に成功。しかし91分、途中出場ベベにミドルシュートを決められ、同点で試合終了した。
ホームチームにとっては劇的な同点弾、アウェイチームにとっては、終了間際に勝ち点2を失うこととなってしまった。
“FKを蹴らせろ”と言わんばかりにボールを
このゲームにおいて久保は、PK獲得だけでなく、積極的な前プレスや何度も見せた自陣からの独走でもファールを受け、フリーキックの好機を作っている。通常はブライス・メンデスがキッカーを務めるが、この日は、自らボールを持ちキッカーを務める場面も見られた。ブライス自身も前半のFKでバー直撃のキックをしていただけに、自信はあっただろうが有無を言わさぬ気迫だった。
また2つの得点直後、ゴールを喜ぶと、すぐさま頭を切り替えスビメンディ、ブライスと話し合う姿からは、勝利への強い欲求を感じさせた。
交代後のドローに久保がベンチで“虚ろな表情”
それだけに、終了のホイッスルが鳴った後もしばらくベンチから動けず、虚ろな表情を見せる久保の姿は印象的だった。ベンチからサポーターの前まで挨拶に向かった際も、ややチームと離れて力なく佇んでいた。