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「バウアー残留」謎のトレンド入りも…DeNA“超大物”の1年をスポーツ紙はどう報じた?「電撃来日!!」から「ジャック バウアー」まで
posted2023/11/01 11:02
text by
プチ鹿島Petit Kashima
photograph by
JIJI PRESS
プロ野球は日本シリーズの熱戦やドラフト会議の話題で盛り上がっています。そんななか「スポーツ新聞時評」が注目したのはこちらの記事です。
『ドラフト会議中なのに『バウアー残留』謎のトレンド入り DeNA度会隆輝の交渉権獲得で「1位が即戦力投手じゃないって事は…」』(中日スポーツWEB10月26日)
先週木曜におこなわれたドラフト会議。各球団の指名に沸く最中、ドラフトとは無関係のはずの「バウアー残留」がX(旧ツイッター)で謎のトレンド入りを果たしたのだ。
DeNAは中日、ロッテと3球団による競合を制し、ドラフト1位で度会隆輝外野手(21)=ENEOS=との交渉権を獲得した。
なのでDeNAファンは、
《今オフにトレバー・バウアー投手(32)と今永昇太投手(30)が退団する可能性がある中、1位に野手を指名したことで、ファンの間では「残留」の臆測と願望が盛り上がる形となった。》
「超大物、電撃来日!!」の衝撃
ドラフト会議中にもバウアー。その去就が注目されている。スポーツ紙も今年はバウアーで盛り上がった。私も春先からバウアーの記事をせっせと集めていた。
その衝撃は突然3月にやってきた。
『DeNA、サイ・ヤング賞右腕のトレバー・バウアー獲得へ!! NPB史上最強クラスのV補強』(サンケイスポーツWEB3月14日)
《超大物、電撃来日!! DeNAが2020年に米大リーグ、ナ・リーグのサイ・ヤング賞(最優秀投手賞)に輝いたトレバー・バウアー投手(32)=前ドジャース=を獲得することが13日、分かった。出来高を含めて4億円規模の契約とみられる。》
「超大物」とか「電撃」というフレーズがたまらない。スポーツ紙の見出しの華である。読者は想像力を掻き立てられる。そして実際にバウアーは正真正銘の超大物だった。
プロ野球の外国人選手を描いてきた作家のロバート・ホワイティング氏も「絶頂期MLB投手による日本球団でのプレーは初」(夕刊フジ4月12日)と書いていた。ワクワクするなというほうが無理である。