――日々のトレーニングにおいて、どんなことに喜びや楽しみを見出していますか？

青山　一番はもう1回、J1のピッチに立って、納得のいくプレーをすること。大げさかもしれないけれど、それが夢というか、目標というか。そこにもう1回チャレンジする。時間があるかないかは別として、そういう大きい目標を立てて、それに向かっていく毎日というのはすごく楽しいです。1回やれていたことなんで。ただ、いろんなケガや年齢による衰えもあって、以前のようにいかないのも確か。それを認めたうえでトライしていく。それが今の目標であり、楽しさであり、挑戦ですね。

――長年苦しめられてきた膝のケガの状態は？　

青山　今のところ、痛みはないですね。ないですけど、やっぱり本能的にかばうというか、機能的に曲がらないところもあって。でも、ピッチで心配しながらやるような感じではないですし、思いっきりやれているのは確か。それは本当にありがたいことだなって思っています。今、僕が目標にしているのは、自分の体をもう1回機能的にしっかり使えるようにすること。人間が本来持っている機能を失っている部分があるというか、スイッチが切れてる状態だと思っているので、それをもう1回呼び覚ます。強化というよりはそれだね。

――その成果はどうですか？

青山　去年1年間、フィジカルコーチやトレーナーといろいろトライしてきましたけど、自分の納得するような体はまだできてないですね。できてないと言っても、ケガなく、痛みなく、トレーニングに臨めるだけでもありがたいことなんですけど、自分の目指すべきところはもっと上だと思ってるし。J1のレベルに飛び込んでいける体を作らなきゃいけないので。なので、今はまた違うトライをしています。

――どんなトライを？

青山　そこはちょっと秘密なんですけど（笑）。ただ、自分の体にとって何が正解かは分からない。トライしてダメなら、次に向かう。今取り組まないと、先はないと思ってるんで。ファイティングポーズはとり続けていようと。これはもう、引退するまでずっと。

笑顔でインタビューに応じる青山敏弘　©︎Atsushi Iio

年齢に逆らう挑戦「僕はできると思ってる」

――痛みはないけれど、自分の体に納得がいかない。具体的にどう納得いかないんですか？ 

青山　フィットしてないんですよね。動きたいと思うタイミングで動けない。そういうギャップを埋めていきたい。もしかしたら、それはもう年齢的に不可能なことなのかもしれないけれど、僕はそれにチャレンジしたいと思っていて、サポートしてくれる方々もいる。チャレンジしたいっていうか、自分でやれると思っているんでね。

年間王者となった2015年は初のリーグMVPも獲得した　©︎Atsushi Tomura/Getty Images

――それが今の一番大きなモチベーション？

青山　うん。なぜか本気で思えるんですよね。体はこんなにボロボロなのに（笑）。周りは「アオちゃん、それは難しいんじゃない？」って思っているかもしれないけれど、僕はやれると思っている。できないという選択肢を自分の中で持っちゃうと、もうやる意味がないと思うんで。僕はできると思ってる。フィットできると思ってる（笑）。

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