WR　いや、バンテージの件に関してはマインドゲームではない。それは単に私の側のミステイクだ。日本の規則は北米と違い、その巻き方が許可されるという知識がなかった。他のすべてのルールはWBC、WBOの世界タイトル戦でやってきたのと同じなのに、その部分だけは違うというのはおかしいと考えた。それでこれは言っておかなければならないと感じたんだ。

　ただ、繰り返しになるが、誰も規則を破ったわけではない。井上は公平な形で戦い、ああいう結果になった。

――すべてを振り返り、あの件に関して少々後悔している部分はありますか？

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WR　後悔という考え方は違うと思う。あの件を通じて、また多くを学んだ。だから私は何も後悔していない。後悔してしまったら、そこから何かを学ぶことはできない。

公式会見の場で、井上尚弥のバンテージに言及したラヒーム氏（左）。その後、大きな議論を呼んだ　©︎Hiroaki Yamaguchi

「私が卑劣な男だと感じているのでは？」

――これは私個人の意見ですが、アメリカのやり方と違うバンテージの件を追及するのは適切なことだったと思います。ただ、試合直前の会見ではなく、もっと前に解決しておくべきだったと感じました。その見方をどう思いますか？

WR　会見の直前まで、井上がどういう方法でバンテージを巻いているのかを知らなかったんだ。バンテージを巻くビデオを見たのがあのタイミングだったということ。それでこれは言っておかなければいけない、と思ったということだ。

――先日、電話で話した際、できれば試合後、井上の父親と少し話したかったと言っていました。何を伝えたかったんでしょうか？

一夜明け、笑顔で会見出席した井上尚弥と父・真吾トレーナー　©︎Hiroaki Yamaguchi

WR　これは私の推測に過ぎないが、彼は私が卑劣な男だと感じているのではないかと思った。試合後、彼にも、チームの人間にも、彼の息子にも、失礼な態度を取るつもりはなく、バンテージの件に関しては事前に承知していなかっただけ、選手を守りたかっただけだと伝えたかった。これに関しても私の勘違いかもしれないが、彼は私と話したがっているとは思えなかった。試合後の興奮もあるから、それは理解できる。言葉の壁があるから、実際には話すのは難しかったというのもある。いずれ落ち着いて話す機会があればと思う。

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