外野手編【2】山形中央高・武田陸玖（175cm77kg・左投左打）

　実は、「外野手」としての武田陸玖（山形中央高・175cm77kg・左投左打）のプレーを、現場で見たことがない。

　しかし、彼が将来「バットマン」としてプロ野球でプレーする時のことを想定して、外野手として挙げたいと思う。

　実際、一塁手としての武田選手のプレーを見て、二塁寄りもライン寄りの打球も、敏捷な反応と柔らかい身のこなしでさばく姿は、むしろ一塁手ではもったいないほどの「上手さ」を感じたものだ。特に、ゴロ捕球からの二塁送球で、ワンステップで右足をスッと二塁方向に向けてからの体のターンなど、外野手としてのバックサード、バックホームも間違いなく達者にこなすはず。外野手としてのプレーは見たことなくても、その点は、自信を持って推せる。投手としても、アベレージで130キロ後半……スローイングも心配していない。

ドラフト目玉ベスト3 外野手編【2】山形中央高・武田陸玖（175cm77kg・左投左打） ©JIJI PRESS

　2年生の春の県大会で、武田選手を初めて見て、高校に入ってたった1年で、こんなにバットを使いこなせる打者がいるのか！と驚いた。

　投球の軌道にグリップがさりげなくスッと入って、バットヘッドが最後に出てくる。金属バットがしなって見えるスイングなんて、大げさにいえば、PL学園当時の福留孝介選手（元中日ほか）以来かもしれない。

　インパクトの瞬間に、バットとボールが1秒ぐらいくっ付いているように見えて、左打席から左中間へ飛んだライナーは、外野に行ってからグングンと伸びて、フライはなっかなか落ちて来なかった。

　高校では、投げて打っての大奮闘だったが、やはり将来は「バットマン」だろう。背格好から中距離打者のイメージかもしれないが、いやいや、抜群のジャストミート能力にパワーを注入して、技術で本塁打の打てる「福留孝介」を目指すぐらいの高い志を持ってほしい逸材である。

【次ページ】　外野手編【3】日本文理大・東門寿哉（178cm78kg・右投左打）