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「タケはゲームで使ってるよ」少年と敵地大ブーイングの愛憎…月間MVP久保建英22歳が“アトレティコサポに認められた勲章”を撮った
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2023/10/12 17:00
アトレティコ戦での久保建英。9月の月間MVPに輝くなどその力はスペインに轟いている
65分、久保はピッチを後にした。73分、オヤルサバルのゴールで同点に追いつくものの、終了間際89分、VAR後のPK判定によりグリーズマンに逆転ゴールを奪われ、ゲームセットを迎えた。
久保に浴びせられた大ブーイング
久保が交代でゴール裏を通りかかる際には、大きなブーイングが鳴らされた。コーナーキックのキッカーとしてスタンドに近寄った際にも同じような状況はあった。
またこの日、久保に相対したリノやエルモソが久保をストップするたびに、親の仇を打ったかのような喜びが挙がっていた。〈こいつを止めなければ、勝てない〉ということをスタンドが分かっていたのだろう。
敵地で浴びるブーイングは、一種の勲章のようなものだ。
かつてメッシがベルナベウで浴びたように、ラウールやロナウドがカンプ・ノウでそうされたように——。
ただ上手いだけの選手ではなく、脅威と見做されて始めている証拠といえる。
過密日程が続くが、久保は日本代表に合流しカナダ、チュニジアとの戦いに臨む。