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“日本代表への最短経路”ワーナー・ディアンズ21歳はなぜ高卒で東芝に? スカウトが語る入団秘話と“真の能力”「どこに蹴っても取るんです」 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2023/10/08 11:02

“日本代表への最短経路”ワーナー・ディアンズ21歳はなぜ高卒で東芝に? スカウトが語る入団秘話と“真の能力”「どこに蹴っても取るんです」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

高卒で東芝ブレイブルーパス東京に加入し、W杯日本代表まで上り詰めたワーナー・ディアンズ(21歳)。202cmの長身以上に特筆すべき“真の能力”とは

チームでの公式戦出場前に日本代表のキャップを獲得

「サイズは大きいですが、まだ身体が細かったので、公式戦に出るまでには少し時間はかかるだろうなと。2年間ウチでみっちりトレーニングをして、トップレベルになるだろうなというのが自分の見立てでした」

 フランカーを軸にFWの複数ポジションでプレーし、日本代表キャップも獲得した望月である。その見立ては確度の高いものだったはずだが、ワーナーは驚異のスピードで進化を遂げていく。

「ウチに入ってすぐにジャパンへ呼ばれたのが、すごくいい刺激になったんだろうと思います」

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 2021年春の高校卒業とともに東芝ブレイブルーパス東京に合流したワーナーは、同年9月にナショナル・デベロップメント・スコッドに選出される。将来的に日本代表に選出される可能性を持った選手として日本代表の合宿に参加したのだが、ケガ人が出たことにより日本代表に昇格し、11月のポルトガル戦で初キャップを獲得した。東芝ブレイブルーパス東京での公式戦出場を待たずに、テストマッチの舞台に立ったのだった。

 望月が振り返る。

「日本代表資格を持つ2メートル超の選手はなかなかいないので、代表のスタッフも注目するだろうなとは思っていました。ワーナーは慎重なところがあって、ウチに来てすぐにコンタクトの練習に入るかと聞いたら、『まだ、ちょっと』と言うんです。コンタクトの練習は好きなんですが、最初は遠慮して、3回目ぐらいでそろそろ入ってみようと思います、と。そういう慎重さもあるので、21年の2月からウチで練習をして、そこからジャパンということで、段階を踏みながら高いレベルに触れていったのが良かったのでは」

 22年1月開幕のリーグワンでは、開幕戦からスタメンに名を連ねた。シーズンを通して稼働し、日本代表のテストマッチでも起用されていく。同年10月に実現した母国ニュージーランドとの対戦では、見事なキックチャージからトライを奪ってみせた。東芝ブレイブルーパス東京では、今年2月のリーグワンで90メートル独走のトライを決めている。

 ワーナーのランニングスキルが、望月には驚きではない。

「身体が大きいのでそうは見えないかもしれませんが、高校生当時から足は速いんです。あのサイズで足が速いのは大きな魅力ですが、彼の一番の持ち味は違うところにあると、僕自身は思っているんです」

【次ページ】 一番の持ち味はサイズやフィジカルではなく…

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