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“日本代表への最短経路”ワーナー・ディアンズ21歳はなぜ高卒で東芝に? スカウトが語る入団秘話と“真の能力”「どこに蹴っても取るんです」 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2023/10/08 11:02

“日本代表への最短経路”ワーナー・ディアンズ21歳はなぜ高卒で東芝に? スカウトが語る入団秘話と“真の能力”「どこに蹴っても取るんです」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

高卒で東芝ブレイブルーパス東京に加入し、W杯日本代表まで上り詰めたワーナー・ディアンズ(21歳)。202cmの長身以上に特筆すべき“真の能力”とは

一番の持ち味はサイズやフィジカルではなく…

 ワーナーが東芝ブレイブルーパス東京に加入した2021年冬、日本は新型コロナウイルス感染症の第3波に襲われていた。高校卒業後のワーナーはすぐにチームに合流せず、個別でトレーニングをすることになった。練習の補助が必要な場面では、元選手の望月がパートナー役となった。

「僕がキックを蹴ってワーナーがキャッチする練習をしていたのですが、どこに蹴っても取るんです。片手でも取る。あれだけのサイズがあるのに機敏に、なおかつ柔らかく手を使えるのはすごいなあと。スピード、フィジカル、高さは見たままの特徴ですぐに分かりますが、ハンドリング能力が実は一番の持ち味なのでは。すでにワールドクラスに近いんじゃないかな、というぐらいで。もともと関節が柔らかいのかもしれませんし、来日前にバスケットをやっていたことが関係しているのかな、とも思います」

 すでに消化されたW杯のプール戦3試合は、すべて後半途中からの出場となっている。インパクトプレーヤーとして、試合の流れに影響を及ぼす役割を担ってきた。「自分の身長を生かして、空中戦は勝つようにしたいです」と話すワーナーだが、類まれなハンドリングスキルを生かしてセットプレーの要となり、フィールドプレーでもボールキャリーなどにつなげているのだ。

 もし、日本に来なかったら。「ラグビーではなく、バスケットボールをやっていたかもしれません」とワーナーは話す。

 もし、高校卒業後に大学へ進学していたら。東芝ブレイブルーパス東京に加入していなかったら。こんなにも早く日本代表に選ばれなかったかもしれない。

 幸運な偶然とたくましい決断が重なり、チーム最年少の21歳は日本のために戦っている。

<リーチ マイケル編から続く>

(文中敬称略。取材協力:東芝ブレイブルーパス東京)

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