関田はどんな体勢からでも正確な、スパイカーが打ちやすいトスを供給する。積極的にミドルブロッカーやパイプ攻撃を使う相手に的を絞らせない配球、相手ブロッカーを見る視野の広さも年々磨かれてきた。

　だがエジプト戦は、そうして積み重ねてきた自信が崩れ落ちかねない敗戦だった。

　エジプト戦後の関田の様子を、同い年のミドルブロッカー・山内晶大（パナソニック）はこう明かした。

エジプト戦では途中で山本龍と交代し、ベンチで戦況を見守った　©︎Yuki Suenaga

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「もう、言っていいのかどうかわからないぐらいのすごい落ち込み方でした。背負っていましたね。今年はネーションズリーグで3位になって、アジア選手権も（優勝という）結果を残して、なおかつ今大会は日本開催で、テレビも入っている、お客さんもたくさん来てくれている、メディアの人も期待してくれている。いろんな人が期待してくれている中で勝たないといけないというプレッシャーがある。

　なおかつ彼はいいセッター、いいプレーヤーなので、たぶんある程度自分に自信もあって、自分にも期待していたと思う。その中でああいうふうにうまくいかなくなってしまったので、たぶん、自分が期待していただけに、すごくショックで、悔しい思いがあったと思います。そのせいで試合後はもう、周りを遮断するような感じだった。彼がみんなと離れるというか……ご飯も食わない感じで」

大浴場に連れ出し、湯船に浸かりながら

高橋健を連れて、関田の部屋を訪れたという山内。現メンバーでは唯一の同い年だ　©︎Yuki Suenaga

　1人にしてはいけないという思いで、山内は高橋健太郎（東レアローズ）とともに関田の部屋を訪れ、話をした。

　翌日は試合の空き日だったため、今度は西田とともに関田を大浴場に連れ出し、ゆっくりと湯船に浸かりながら、「気負いすぎないほうがいいよ」といった言葉をかけ続け、徐々に関田の心を解きほぐしていった。

　山内はこう続けた。

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