エジプト戦の第3セット以降については、こう振り返った。

「正直、弱気になっていた部分もあるとは思います。僕自身結果にこだわりすぎると、自分のよさがなくなって単調になったり、そういうのが出てきてしまう。積極性がなかなか出せなかった。自分自身で自分を苦しめていたというのがあったと思います。完全に相手に流れが行ってしまって、いつもなら決まる点が決まらなくて、『ん？』とか『あれ？』とか、そういうちょっとずつの積み重ねで、ああいうふうになっていた可能性もあります。試合後はとにかく悔しかった。あの負けは、申し訳ない！という気持ちでした。実力があれば、精神的にもカバーできると思うので、まだまだだと思いました」

　第5セットはスタートから戻るつもりでいたが、ブラン監督は第4セット途中から流れを変えた山本龍をそのまま起用。

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「僕は出ると思っていたので、そこも悔しかった。そこは監督が決めること。僕のプレーがダメだったし、そこで託されなかったのか、といろいろ考えちゃって……」

　だがチュニジア戦では、二枚替えもなく、ワンポイントブロッカーとの交代以外は関田がコートに立ち続けた。

　ブラン監督は「今日は関田に長くプレーしてもらって、彼のプレーや自信を取り戻し、すべてのスパイカーのリズムを見つけて欲しかった。今日は非常にサイドアウトがよく、自信になったと思う」と納得の表情だった。

司令塔の復調、後半戦のキーマン

　7年前、「この舞台で普通にプレーできたらすごいだろうな」と感じた五輪予選の舞台は、「やっぱり（普通にプレーするのが）難しいっす」と関田は言う。

　それでも、吹っ切れたチュニジア戦は普段通りだったのでは？と聞くと

「どうかな？　どうでした？」と逆質問。

　普段通りに見えたと伝えると

「あ、ほんとですか。じゃあそうだと思います」とニヤリと笑った。

　関田らしさが戻ってきた。

　厳しい戦いは続くが、本当の勝負はここからだ。