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まさかの敗戦→快勝…男子バレー“本当の実力”は? イタリア老舗紙のベテラン記者が熱弁「日本は世界の勢力図を変えた」「驚きは175cmのセッター」
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byFIVB
posted2023/10/04 11:39
ネーションズリーグでのメダル獲得など、世界の評価を高まっている男子バレーボール日本代表
――日本とイタリアが2度対戦した7月のネーションズリーグについても聞かせてください。予選ラウンドでは10連勝の快進撃日本をイタリアが3-1で一蹴。しかし、3位決定戦では3-2の接戦を制し、日本がメダルを獲得しました。
予選ラウンドでの対戦ではイタリアにゲームをコントロールする余裕があった。しかし(前日の米国との準決勝に0-3で完敗しショック状態で)3位決定戦に臨んだときのイタリアには日本を倒せるだけの力がなかった。今の日本代表は、勝機と見るや一気にそれを利用して畳み掛ける試合巧者ぶりすら習得し始めている。昨年の世界選手権でも決勝トーナメントのラウンド16で(東京五輪王者)フランスをあと一歩のところまで追い詰めただろう。日本代表はここ数年で最も急激に強くなったチームだ。彼らはまさに今、世界のバレーの勢力図を塗り替えつつある。
――大会取材中、日本代表で印象に残った選手は。
パッレッジャトーレ(=セッター)の関田誠大だ。
彼のプレーが日本代表の出来を左右する。身長こそ低い(175cm)ようだが、両手の使い方の優雅さやトスワークの正確さ、つねにネットの端から端までを見通すプレービジョンはいずれも一級品だ。最近の日本の戦果に対する彼の貢献度は大きいよ。
「今すぐセリエAのレギュラーになれる」
――言語の壁はともかく、11月に30歳となる関田はセリエAクラブでプレーできるレベルにあると思いますか?
関田にとどまらず、日本代表の“スターティング6”は全員、今すぐセリエAでレギュラーになれるレベルにある。それほど近年の日本代表の成長は著しい。
あらためて強調したいのは、この日本の急成長を呼び込んだのは(外国人監督招聘や選手の海外挑戦という)新世代の“開国志向”に他ならないということだ。今後のバレー界で日本は強豪国に仲間入りする強いポテンシャルを秘めている。